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導入事例:北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター(FSC)

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産業用システムの制御ノウハウを実験用設備にも活用
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FACE実験装置のCO2濃度制御システムにデジタル指示調節計を導入

 北方生物圏フィールド科学センターは、北海道を中心にして森林・耕地・沿岸域を対象に、生物生産や生物間相互作用を教育・研究する北海道大学の施設で、その一つに単葉から森林空間のレベルまで多元的にアクセスする研究を行っています。これらの研究の一環として、実験的に高濃度CO2環境が森林に与える影響を調べる開放系CO2増加実験FACE(Free-Air CO2 Enrichment)を用いた落葉樹への高CO2付加研究があります。
FACE実験装置
FACE実験装置
 「地史的には低下傾向にある大気中CO2濃度は産業革命を機に一転して急増し、今世紀半ばには現在の370ppmv(1ppmvは、体積比率で100万分の1)から500ppmvにまで上昇するという指摘もあります。私たちの研究テーマは、高濃度のCO2が環境に、特に地球のCO2の貯蔵庫である森林に与える影響を調べることです」(北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション南管理部長 小池教授)

 FACEとは、自然環境下で高濃度CO2環境を実現する実験のことで、開放系大気CO2増加実験と呼ばれています。先行するアメリカではサークル状に設置した垂直な巨大パイプで風上から大量のCO2ガスの供給をしています。また、スイスでは森の小枝に這わせたチューブの小穴を介してCO2を供給し、高濃度CO2環境を実現しています。しかしこれらの方法は、CO2ガスの消費量(ランニングコスト)やガス濃度分布などに問題があり、実験設備の構築を担当した北海道ダルトンは厳しい予算と実験環境の両立に苦心したといいます。

 「風上からガスを供給する方法と、木に直接ガスを供給する方法を融合させ、高密度のガスを風上から供給する方法でCO2ガスの消費を抑えています。山武のデジタル指示調節計は、風の状態に応じてCO2ガスの放出量をコントロールしようという厳しい要求にも十分に応えてくれました」(北海道ダルトン環境設備課 上田課長)

 「実験設備の正当性を確認するためにアメリカやヨーロッパ、先行するRice(イネ)FACEの実験設備と比較したのですが、精度は目標値97%を常に達成し安心できる高い結果を得られ満足しています。しかも、日本のメーカーである山武製品という点も、メンテナンス性やコストの面で安心感がありました」(小池教授)

 小池教授がこう語るのは、データ精度の整合性の点から、研究用設備や計測機器の多くが高価な海外製品で占められているという現実があるためです。実際、多くの研究者が機器の導入コストやメンテナンスといった本業以外のことで頭を抱えることも少なくないといいます。

 「その点、山武製品は実験装置として必要な機能・精度を備えているだけでなく、コントローラやアクチュエータ、センサなどの主要機器も充実しています。しかも、過酷な状況でも壊れないという信頼性がなによりですね」(上田課長)

 研究者にとって重要なことは、継続的なデータを取ることにあり、そのためにも実験設備の不停止運転は大前提だといわれています。

 「昨年(2003年)にスタートした実験を通じて、土壌中の水分量増加が確認できました。従来、高濃度CO2環境下では植物の葉の気孔が閉じ気味になるとの指摘はあったのですが、この実験成果により葉からの水分蒸発の抑制と土壌中の保水量との関連性を検証できそうだと実感しています。こうしたデータが得られたのも、実験設備が安定的に稼働していたおかげだと思っています」(北海道大学大学院 農学研究科 江口氏)


FACE実験装置

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この記事は山武グループのPR誌Savemation(セーブメーション)2002年9月号に掲載されたものです。

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