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第1編 第3章 空気の汚れの測定方法
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第1編 第3章 空気の汚れの測定方法
エアクリーナの基礎知識 第1編
第3章 空気の汚れの測定方法
3.1 粉じん濃度の測定方法
3.2 ガス濃度の測定方法
■ 3.1 粉じん濃度の測定方法
粉じん濃度の測定方法、測定原理はJISZ8813(浮遊粉じん濃度測定方法通則)に詳細に定められています。測定方法は、大別して「浮遊測定方法」と「補集測定方法」に分けられます。浮遊測定方法は粉じん濃度測定にすべて光学的原理を用いたもので、瞬時測定及び連続測定が可能となっています。一方補集測定方法の測定器は、補集方法、濃度測定原理、測定の自動/手動などに別れて色々な種類のものが市販されています。
また、いずれの測定法にも質量濃度[mg/m
3
]を表示するものと個数濃度[個/m
3
]を表示するものがあります。
粉じん濃度の測定対象としては、清浄な環境であるクリーンルーム、高濃度の粉じんが舞う労働環境及びいわゆるIAQと称される職住の室内環境があり、それぞれに対して粉じん濃度の測定方法が決められています。
ここではビル管理法に基づき一般に使用される「粉じん計」と主としてクリーンルーム等の清浄度を測るための「パーティクルカウンタ」に関して説明します。
1) 粉じん計
ビル管理法における浮遊粉じんの測定法は省令により、“質量法により測定する機器または当該機器を標準として校正された機器”として定められています。この省令に従って認定された測定器が粉じん計の名称として市販されています。主なものを(表15)に示します。これらはいずれも測定操作が簡単で、短時間で測定できる携帯型の測定器です。
■ 表15 粉じん計の種類
原理
名称
型式
光散乱方式
デジタル粉じん計
P-3型、P-5型、PCD-1型、LD-3型
ダストカウンタ
DU-6型、DU-6C型
光散乱デジタル粉じん計
53-1111型、5300型、3411型
高感度デジタル粉じん計
3421型、HS-1型
吸光方式
労研分光ろ紙じんあい計
3421型、HS-1型
圧電天秤方式
ビエゾバランス粉じん計
51-111型、3511型
このなかの代表的なものとして、デジタル粉じん計の測定原理を(図3)に示します。
これは光散乱の原理を利用したもので、吸引された試料空気が散乱光測定域を通る際に光を照射し、その中に含まれる粉じんから発した散乱光の強さを光電変換素子で電気信号に変換し、相対濃度として表示します、相対濃度はcpmとして表示されるため、変換係数を掛けて質量濃度[mg/m
3
]に変換しています。
2) パーティクルカウンタ(光散乱式自動粒子計数器)
主にクリーンルームなど清浄度の高い雰囲気の測定に使われる機器でありJISB9921に規定されています。「浮遊測定方法」の光散乱方式を用いた測定器で、散乱光強度と粒子数を測定し、あらかじめ屈折率が既知の標準球形粒子のもとに作成した検量線を用いて粒径別個数濃度[個/m
3
]を表示します。
■ 3.2 ガス濃度の測定方法
ガス濃度の表し方として、体積濃度と質量濃度があります。この使い分けは特に決められた規則はなく、慣用として常温でガス状のもの、およびこれに近いものは体積濃度、分子量の大きいもの、高沸点のものは質量濃度を使用しています。
ガス濃度の測定は粉じん測定と比較すると対象とするガス種により異なり、正確に測るには高価なガスクロマトグラフ等の分析計が必要で、測定に際しても時間と労力がかかるため、現場測定用としてはあまり使われません。ここでは現場測定用の簡易測定器として、検知管、ポータブル型精密測定器、半導体センサを紹介します。なお、臭気に関しては臭気物質濃度の測定法は上に述べたのと同じですが、実際に人がどのように臭いを感じるかは物質濃度では分からないため、官能試験という臭気測定法があるので合わせて紹介します。
1) 検知管法
対象ガスを検知管つき吸引ポンプで引き、検知管の変色域でその濃度を読み取る方法です。
構造は、(図5)を参照下さい。(表16、17)に検知管の仕様を示します。
■ 表16 室内環境で使用されている主な検知管
検知管の種類
測定濃度範囲(ml/m
3
)
吸引回数
一酸化炭素
1〜30
2
二酸化炭素
300〜5,000
1
二酸化硫黄
0.05〜10
2
一酸化窒素
2.5〜200
1
二酸化窒素
0.5〜125
2
オゾン
0.025〜3
5
ホルムアルデヒド
0.05〜1
5
パラジクロロベンゼン
2.5〜300
2
トルエン
1〜100
2
■ 表17 悪臭物質測定用検知管の仕様(平成2年3月現在)
対象物質
メーカー
測定範囲(ppm)
採取ガス量
反応原理
妨害ガス
変色状況
アンモニア
G社
0.5〜5.0
750ml
2NH
3
+H
2
SO
→ (NH
4
)
2
SO
4
アミン酸、ジアミン酸類2ppm以上で類似の変色NH
3
の1/15以上の共存で高めの誤差
桃色→黄色
K社
0.3〜0.5
500ml
2NH
3
+H
2
PO
→ (NH
4
)
2
HPO
アミン酸
桃色→黄色
硫化水素
G社
0.01〜0.2
750ml
H
2
S+HgCl
2
→
HSHgCl+HCl
CH
3
SH、SO
2
、NO
2
、NH
3
の影響なし
黄色→紫色
K社
0.02〜0.2
1500ml
H
2
S+HgCl
2
→
HSHgCl+HCl
0.02ppm以下のCH
3
SHは影響なし
黄色→桃色
スチレン
G社
0.2〜0.4
1500ml
発煙硫酸による縮重合
ブタジエル2ppmで黄褐色のムラ発生。
10倍以上のアルコール、ケトル、エステル、アルデヒドは変色を薄める
白色→黄色
K社
0.4〜4.0
2000ml
発煙硫酸による縮重合
アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチルが各10ppm以下で影響なし
白色→黄色
2) ホルムアルデヒド簡易測定器
改正されたビル管理法(平成15年4 月1日)の中で、新たにホルムアルデヒドの測定が義務づけられました。同時に測定器としては、DNPH-HPLC法、AHMT法と規定されました。但し別途厚生労働大臣が指定する測定器でも(図6)ホルムアルデヒド簡易計測器可となっています。
ビル衛生管理用厚生労働大臣認定品として市販されているポータブル型ホルムアルデヒド簡易計測器の外観(図7)と測定原理を紹介します。測定原理は、定電位電解質センサとDNPHフィルタを組み合わせた物で(図6)のようになっています。
3) 半導体ガスセンサ(においセンサ)
半導体センサを利用したガスセンサで、においセンサの場合には人間の嗅感覚量を直接表示させるようになっており現場で比較測定を行う場合には有効なものと思われます。携帯型が主流なため、現場での測定に適しています。
代表的なにおいセンサを(図8)にあらわしています。このほかにVOC などのガス濃度を測るものなど各種のセンサ式計測器があります。
4) 官能試験法(臭気測定法)
官能試験の測定値としては、@臭気強度 A快・不快度 B臭気濃度の3つがあります。これら各表示法の相互比較を(表18)に示します。
■ 表18 各表示法の相互比較
各表示法
測定値
尺度の幅
測定時間
評価尺度
再現性
臭気強度表示法
やや定量的
狭い
0〜5
短い
臭気の程度
主観的
△
快・不快度表示法
定性的
狭い
+4〜-4
短い
臭気の程度
主観的
△
臭気濃度表示法
定量的
広い
長い
臭気の有無
客観的
○
(1)
臭気強度:
個人の感じ方をもとに臭いの度合いを6段階で表したものです(表19)。
■ 表19 6段階臭気強度
臭気強度
においの程度
0
無臭
1
やっと感知できるにおい (検知いき値濃度)
2
何のにおいであるかがわかる弱いにおい (認知いき値濃度)
3
らくに感知できるにおい
4
強いにおい
5
強烈なにおい
(2)
快・不快度:
臭いを嗅いだときの感じ方を9段階で表したものです。実際問題としては“+2”以上の評価は行いません(表20)。
■ 表20 9段階快度不快度表示法
快不快度
内容
+4
極端に快
+3
非常に快
+2
快
+1
やや快
0
快でも不快でもない
-1
やや不快
-2
不快
-3
非常に不快
-4
極端に不快
(3)
臭気濃度:
臭気の濃度という意味ではなく、一つの単位をさします。その臭気を無臭の清浄な空気で希釈したとき、ちょうど無臭となるまでに要した希釈倍数で定義します。臭気濃度の測定法としては三点比較式臭袋法が用いられます。
三点比較式臭袋法は、臭気を入れた1個の袋と臭気の入っていない2個の袋を用意し、パネル(嗅覚正常者から選ばれて、この試験に参加する人)にこの3個の袋を比較させ順次臭気を希釈し、臭いの区別がつかなくなるまでの希釈倍数を求める方法です。(図9)
臭気強度と臭気濃度との関係は次のようになっています。
臭気強度2.5に対する臭気濃度は10程度
臭気強度3.0に対する臭気濃度は30程度
臭気強度3.5に対する臭気濃度は60程度
(参考)悪臭物質濃度と臭気強度、快・不快度の関係
下記に規制悪臭物質の濃度(ppm)と臭気強度、不快度との関係を示します(表21)。
■ 表21 規制悪臭物質濃度(ppm)と臭気強度、不快度の関係
物質名
臭気強度
1
2
2.5
3
3.5
4
5
アセトアルデヒド
0.002
0.01
0.05
0.1
0.5
1
10
スチレン
0.03
0.2
0.4
0.8
2
4
20
二硫化メチル
0.0003
0.003
0.009
0.03
0.1
0.3
3
硫化水素
0.0005
0.006
0.02
0.06
0.2
0.7
8
メチルメルカブタン
0.0001
0.0007
0.002
0.004
0.01
0.03
0.2
硫化メチル
0.0001
0.002
0.01
0.04
0.2
0.8
2
トリメチルアミン
0.0001
0.001
0.005
0.02
0.07
0.2
3
アンモニア
0.1
0.6
1
2
5
10
40
プロピオン酸
0.0017
0.0084
0.019
0.041
0.009
0.2
0.97
n-酪酸
0.000096
0.0007
0.0019
0.0051
0.0014
0.037
0.27
i-酪酸
0.0014
0.007
0.016
0.035
0.078
0.38
0.88
n-吉草酸
0.0001
0.00045
0.00093
0.0019
0.004
0.0082
0.035
i-吉草酸
0.000053
0.00044
0.0013
0.0037
0.011
0.03
0.25
物質名
不快度
-1
-2
-2.5
-3
-3.5
-4
アセトアルデヒド
0.11
69
420
26000
スチレン
3.3
23
16
110
二硫化メチル
0.011
0.16
24
36
硫化水素
0.018
0.17
1.5
13
メチルメルカブタン
0.00073
0.0048
0.032
0.21
硫化メチル
0.0085
0.24
6.5
180
トリメチルアミン
アンモニア
1.3
45
16
55
プロピオン酸
0.0076
0.25
0.13
0.33
1.4
2.2
n-酪酸
0.00033
0.0033
0.01
0.032
0.1
0.32
i-酪酸
0.005
0.04
0.11
0.32
1.2
2.5
n-吉草酸
0.00035
0.0017
0.0038
0.0083
0.018
0.04
i-吉草酸
0.00038
0.0038
0.024
0.038
0.24
0.78
ようこそ! 様
エアクリーナの基礎知識
第1編
第1章 空気清浄機の必要性
第2章 空気の汚れとは
第3章 空気の汚れの測定方法
第4章 私たちの生活している場所の空気
第2編
第1章 空気清浄機の種類と用途
第2章 集じん機能
第3章 脱臭機能
第4章 空気清浄機の性能