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エアクリーナの基礎知識 第1編

第4章 私たちの生活している場所の空気

4.1 空気質に関する法令・省令等
4.2 環境基準

■ 4.1 空気質に関する法令・省令等

環境基本法(法律第91号)のなかで、私たちの健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として「環境基準」を国が定めるように義務付けています。環境基準の対象となる場所は、大気、一般室内環境、産業労働環境に分けられますが夫々を対象としたものを(表22)にまとめました。

■ 表22 空気質に関する法令・省令
対象
内容
大気 一般居住環境の大気を対象とした「大気汚染防止法」、「悪臭防止法」があり汚染物質の許容限度や、ばい煙等を排出する事業者への罰則も定められている
一般室内環境 一般の居室、オフィスの執務室、学校の教室など、継続してそこにいることが許されている基準値であり下記のものがある
「建築物衛生管理基準(通称ビル管法)」、「建築基準法施行例」
産業労働環境 ある労働時間のみ、その環境にいる場合に許される値で、一般の場合には適用されない
「労働安全衛生法」、日本産業衛生学会の許容基準、国際労働機関(ILO)、世界保健機構(WHO)で定められているもの

 
 

健康増進法
(表22)の法令とは多少意味合いが異なる法律として「健康増進法」が平成15年5月に制定されました。
その内容はたばこの受動喫煙による健康障害を守るため、人の大勢集まる場所に於ける喫煙室、喫煙コーナーの設置に関して規制を定めた法律です。具体的には(表23)に示した、「新しい分煙効果判定の基準」を新たに定めることにより非喫煙者の受動喫煙のみならず、喫煙者本人の健康にも配慮したものです。

■ 表23 新しい分煙効果判定の基準
1) 排気装置 (屋外へ強制廃棄) による場合
判定場所 その1
喫煙所と
非喫煙所との境界
(1) デジタル粉じん計を用いて、経時的に浮遊粉じんの濃度の変化を測定し漏れ状態を確認する(非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと)
(2) 非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ(0.2m/s以上)
判定場所 その2
喫煙所
(1) デジタル粉じん計を用いて、時間平均浮遊粉じんの濃度が0.15mg/m3以下
(2) 検知管を用いて測定した一酸化炭素濃度が10ppm以下
2) 空気清浄機による場合
判定場所 その1
喫煙所と
非喫煙所との境界
(1) デジタル粉じん計を用いて、経時的に浮遊粉じんの濃度の変化を測定し漏れ状態を確認する(非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと)
(2) 非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ(0.2m/s以上)
(3) ガス状成分について適切な方法で濃度を測定し、喫煙所からの漏れ状態を確認する(現在、その手法は確立されていない)
判定場所 その2
喫煙所
(1) デジタル粉じん計を用いて、時間平均浮遊粉じんの濃度が0.15mg/m3以下
(2) 検知管を用いて測定した一酸化炭素濃度が10ppm以下
(3) ガス状成分について適切な方法で濃度を測定し、その値がある一定以下であること

(政府広報2003年5月号)
 

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■ 4.2 環境基準

空気質に関わる個々の汚染物質に対して物質ごとに法令・省令が決められています。但し、この「環境基準値」という言葉は使われている場所により意味合いが異なるため注意をする必要があります。例えばある場合には最適値、推奨値であり、ある場合には有害物質の許容濃度を示しています。
汚染物質にはこれまで見てきたように粒子状物質とガス状物質があり、またガス状物質には更に有害ガス、VOC、悪臭ガスに分けられます。この内VOCに関する基準値は本編2.3 ガス状物質にあります(表12)をご覧ください。
有害ガス、粒子状物質に関する基準値を海外の基準も含めて(表24)に示します。

■ 表24 各種環境基準
一般室内環境
法律等
基準値
CO
CO2
NO2
SO2
O3
浮遊粉じん
[ppm]
[ppm]
[ppm]
[ppm]
[ppm]
[mg/m3]
建築基準法、ビル管理法 10 1000       0.15
学校環境衛生基準 20 1500       0.1
興行場条例、
公衆浴場ならびに旅館業衛生管理
10 1500       0.2
室内プール   1500        
WHO Indoor Air Quelity 9(8h) 920 0.08
(1日)
0.12
(1h)
0.076〜0.1
(1h)
0.1〜0.12
(8h)
26(1h)   0.21
(1h)
0.18
(10分)
0.05〜0.06
(8h)
0.1
(30分)
EPA 9(8H) - 0.05(年) 0.03(年)   0.05(年)
35(1h)     0.14(1日)   0.15(1日)
ASHRAE 11 1000 0.19      
大気
大気汚染に係わる環境基準
(公害対策基本法)
10(24h) - 0.04〜0.06 0.04(1日) 0.06(1h) 0.1(1日)
20(8h)     0.1(1h)   0.2(2日)
アメリカ大気環境基準         0.14(1h)  
産業労働環境
事務所衛生基準規則
(労働安全衛生法)
10
50
(空調設備無し)
1000
5000
      0.15
日本産業衛生学会許容濃度 50 5000 5 5 0.1 0.5〜2
(吸入性粉じん)
地下駐車場排出ガス障害予防対策要領
(労働安全衛生法)
50 -        
ACGIH 50 5000 3 5(8H)
40(15分)
   

 
 

臭気に対する基準値は一般室内環境に関してはまだ制定されていませんが悪臭防止法において、工場その他の事業所から排出されるものに関して、物質濃度の基準値を範囲として定めてあります。
この基準値はかなり幅広くとってあり、該当する場所の自然条件、社会的条件を考慮して各自治体で数値を決められるようになっています。定めてある基準値は、臭気強度を基準として工業地域に関しては臭気強度3.0〜3.5に相当する物質の濃度、それ以外の地域は臭気強度2.5〜3.0に相当する物質濃度となっています。
臭気強度と悪臭物質濃度の関係は本編3.2 ガス濃度の測定方法にあります(表21)をご覧ください。

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