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エアクリーナの基礎知識 第2編 |



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■ 2.1 集じん方式 |

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空気清浄機の重要な機能は、空気中の汚染物質をμm以下の微粒子まで効率良く捕集できる集じん機能であり、その方式を大別すると(図10)のように分けることができます。 |


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(図10)に示した各種集じん方式はそれぞれ特徴を有しており、それに対応した用途に使われています(表26)。 |

■ 表26 各種集じん方式の特徴 |
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集じん方式 |
適合粒子径 |
集じん効率 |
圧力損失 |
寿命・環境性 |
主な用途 |
| 粗じんフィルタ |
10μm以上 |
× |
○ |
△ |
プレフィルタ |
| 中性能フィルタ |
1〜10μm |
△ |
△ |
× |
外気取入空気の浄化 |
| 高性能フィルタ |
1μm以下 |
◎ |
× |
× |
クリーンルーム |
| 1段荷電電子式 |
10μm以上 |
△ |
- |
○ |
排気の浄化 |
| 2段荷電電子式 |
1μm以下 |
○ |
◎ |
◎ |
室内空気の浄化 |
| 帯電フィルタ |
1〜10μm |
△ |
△ |
× |
外気取入空気の浄化 |
| 誘電フィルタ |
1〜10μm |
△ |
△ |
× |
外気取入空気の浄化 |
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■ 2.2 電子式空気清浄機 |

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1) 電子式空気清浄機の原理と特徴 |

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電子式空気清浄機は名前の通り電子の力を利用して浮遊粒子を効率よく補捉する装置です。その集じん原理は静電気現象を利用したもので、コロナ放電により浮遊粒子に電荷を与え(荷電する)次にクーロン力でその電荷とは反対の極性を持った集じん極板に帯電した粒子を吸着させます。粒子の荷電と集じんを同一空間で行う1段荷電形、荷電部と集じん部を別にした2段荷電形があります。
特徴として、下記のような事があげられます。 |

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(1) |
空気の流れを遮るものがない構造のため低圧力損失です。 |
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(2) |
汚れた集じん部は、洗浄することで何回でも使用可能です。 |
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(3) |
0.01μmまでの小さな粒子まで効率よく集じん可能です。 |

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a) 1段荷電と2段荷電 |

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【1段荷電方式の特徴】
・放電の極性は、負(−)が多い。
・オゾン、NO2の放出が多くほとんど「工業用」に使われる。 |

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【2段荷電方式の特徴】
・放電の極性は、正(+)が多い。
・オゾン、NO2の放出が少なく主に「業務用」に使われる。 |

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b) 2段荷電の集じん原理 |

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(1) |
荷電部
荷電部は空気中の浮遊粒子にプラスの電荷を帯電させる部分です。帯電させる手段としては普通コロナ放電が用いられます。(図13−左図)に示すようにイオナイザ線(放電電極)にプラスの直流高電圧を加えると接地されたプレートとの間に正コロナ放電が生じ、空気中の分子の中の電子がはじき飛ばされてプラスイオンが発生し(図13−右図)、荷電部の空間内はプラスイオンで充満しています。
このプラスイオンは、入ってきた浮遊粒子に付着するため、浮遊粒子はプラスに帯電して次の集じん部に進んでいきます。
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電子式空気清浄機の集じん効率は浮遊粒子の帯電量が多いほど高くなり、またその帯電量は理論的にはイオナイザ線への印加電圧とコロナ放電電流が大きいほど多くなります。 |

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(2) |
集じん部
集じん部は、正負直流高電圧を印加された金属プレ−ト(電極)が交互に配置されています。正負電極の表面に正、負それぞれ等しい電荷量が帯電し、電極間は一様な静電場となっています。荷電部でプラスに荷電された粒子がこの集じん部に入ってくると(一部はマイナスに荷電された粒子もある)マイナス電極に(マイナスに荷電された粒子はプラス電極に)引き付けられて電極表面に付着します。
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この時粒子に働く力は、粒子の荷電量、電極間に印加される電圧、電極間の距離に依存します。そしてその力は静電界の一様性のため粒子が電極間のどの位置にあっても等しくなり、もし静電場以外の力を無視すれば、すべての粒子が一定の速度でマイナス電極(あるいはプラス電極)に向かって引き付けられます(図14)。 |

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しかし実際には静電場以外の様々移動する な力が働くために、粒子の電極への移動は(図15)のように放物線を描いて行われます。
そして、この放物線は、粒子の荷電量、電極間に印加される電圧、電極間の距離、集じん部の風速等によって変わり、これらが電子式空気清浄機の集じん効率の差異となってきます。
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2) 電子式空気清浄機のオゾン発生量 |

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どのような電子式空気清浄機も、電離作用で集じんする原理から僅かながらオゾン(O3)を発生します。
オゾンは、強力な酸化作用と、多少の臭気を持っており、人体にも影響を与えます。
人間がオゾン臭を感知できる最低濃度は、0.003〜0.01ppm と言われています。
そして、一般の電子式空気清浄機から発生するオゾン濃度限界は、0.005〜0.01ppm程度です。
したがって、人によっては電子式空気清浄機からオゾン臭を感じる場合もありますが、身体への影響はこの程度ではなんら問題がないレベルといえます。参考に労働衛生法で定められてい るオゾンの環境基準値は、0.1ppm以下となっています。詳しくは、第1編4章を参照ください。
またオゾンの影響に関しては、(表27)をご覧ください。
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■ 表27 オゾンの影響 |
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影響 |
暴露濃度 |
暴露時間 |
摘要 |
| 植物に対する障害 |
0.03ppm |
8時間 |
ホウレンソウ、大根、トマトなどの感受性の強い植物 |
| 伸長されたゴムの亀裂 |
0.02ppm |
1時間 |
タイヤなどの硬質ゴム |
| 臭気の感知 |
0.02ppm |
5分以下のみ |
90%の人々が感知 |
実験動物の病原菌に対する 感受性の増加 |
0.08〜1.30ppm |
3時間 |
実験動物(はつかねずみ) |
呼吸器系統(鼻、のど)の 刺激および胸部圧迫感 |
0.3ppm |
連続作業時間 (約8時間) |
溶接工の職業的症状。 他の汚染物質にも暴露されている可能性あり。 |
| 肺機能低下 |
0.5ppm |
3時間/日、6日/週 12週 |
6週間後に回復 0.2ppmでは、変化なし。 |
| 肺活量減少 |
0.6〜0.8ppm |
2時間 |
暴露実験11例 |
| 気道抵抗増加 |
0.1〜1.0ppm |
1時間 |
0.1ppm:4例中2例顕著 1.0ppm:4例中4例とも顕著 |
| 強いせきと注意力散漫 |
0.2ppm |
2時間 |
高熱 1例 |
| 急性肺浮腫 |
9.0ppm |
不明 |
- |
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(U.S.PUBLIC HELTH SERVICE) |
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■ 2.3 機械式エアフィルタ |

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1) 種類と特徴 |

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大別して『粗じんフィルタ』『中性能フィルタ』『高性能フィルタ』の3種類に分けられます。電子式と比較して次のような特徴があります。
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(1) |
電気部品が必要無いこと、構造が単純なことなどによりヘパフィルタを除くと『安価である』 |
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(2) |
集じん部分の材質が繊維であるため『圧力損失がたかくなる』 |
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(3) |
集じん部分の材質が繊維であるため『薄くできる』 |
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(4) |
基本的には、洗浄をせずに『使い捨てとなる』 |

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a) 粗じんフィルタ |

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10〜100μm程度(綿ぼこり等)の粒子径をもつ粉じんを捕集するフィルタで、対象とする入り口での粉じん量は通常、10mg/m3以下に使用する場合が多い。粒子捕集率は質量法で表示されます。
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b) 中性能フィルタ |

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一般に1〜2mg/m3以下の粉じん量から1〜10μm(ほこり、カビ等)の微粉じんを効率良く除去するフィルタを指しています。粒子捕集率は比色法もしくは計数法(DOP法)にて表されます。
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c) 高性能フィルタ |

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放射性微粒子や空中浮遊粒子の捕集を対象とするもので、計数法で90%以上の平均粒子捕集率をもつフィルタを総称しています。このうち最高粒子捕集率を持つフィルタは他と区別して、特にヘパフィルタと呼ばれています。
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d) ヘパフィルタ(HEPAフィルタ) |

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ヘパフィルタは、HIGH EFFICENCY PARTICURATE AIR FILTER の略で、DOP粒子( ジオクチル・フタレート粒子)に対して99.97%以上の初期粒子捕集率を有し、米国の連邦規格209に準拠して製作されているフィルタです。ヘパフィルタの価格は1ユニットあたり4〜5万円以上と高価なフィルタですが、再生は出来ずに使いすてとなります。
以上をまとめると(表28)のようになります。
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■ 表28 エアフィルタの比較 |
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名称(種別) |
効率測定 |
対象粒径 |
平均粒子捕集率 |
主使用目的 |
| 粗じんフィルタ |
質量法 |
10〜100μm |
50%以上 |
空調機用プレフィルタ |
| 中性能フィルタ |
比色法 |
1〜10μm |
60%以上 |
空調機用集じんフィルタ |
| 高性能フィルタ |
計数法 |
0.3μm |
90%以上 |
空調機用集じんフィルタ |
| ヘパフィルタ |
計数法 |
0.3μm |
99.97%以上 |
クリーンルーム |
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(国土交通省 「機械設備工事仕様書」) |
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2) 機械式エアフィルタの寿命 |

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粗じんフィルタの交換もしくは再生時期の判断は、原則的には粉じん保持量を実験的に決定する方法(JIS B9908) すなわち、初期の圧力損失が最終圧力損失(定められた性能で使用できる最終の圧力損失)に到達する点、あるいは粒子捕集率がその最高値の85%に達するまでの使用時間で判断すべきですが、粒子捕集率は使用するにつれて高くなっていくため、実際には圧力損失がエアフィルタの寿命時間(交換もしくは再生時期)を評価するための性能として使われます。
粗じんフィルタを中性能フィルタのプレフィルタとして使用している場合は、交換あるいは再生の時期を失すると粗じんの再飛散を起こす結果となり、中性能フィルタの寿命が極端に短くなり不経済な消費となります。
プレフィルタの許容圧力損失を維持することによって高性能フィルタの寿命を最大限に延ばすことができます。ヘパフィルタのプレフィルタとして、高性能フィルタあるいは中性能フィルタを用いる場合が多いが、この場所に電子式エアクリーナを設置すると、非常に微細な粉じんまで高効率で除去でき、ヘパフィルタの交換のサイクルを延長できます。
これは、長時間では運転経費に大幅な節約を行う事となります。
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