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燃焼安全の基礎知識

第五章 リミット・インターロック

5.1.燃焼炉におけるリミットおよびインターロックの機能
5.2.燃焼炉の系統別リミットおよびインターロック

■ 5.1.燃焼路におけるリミットおよびインターロックの機能

■ 5.1.1.リミット

燃焼炉の炉内温度制御用コントローラが万一故障すると、設定温度より温度が上昇し、燃焼が継続する ことがある。このような場合、炉内の被加熱物に悪影響を与えたり、炉自身を損傷したり、最悪の場合は 火災に発展することになり、これに対応するため、リミット用コントローラが使用される。リミット用コントローラを設置しておくと、万一、ハイリミットの設定値まで炉内温度が上昇した場合、接点 が作動して回路を開き、燃焼を停止することができる。

図5−1 制御とリミット
図5−1 制御とリミット

図5−2 燃焼安全装置の基本構成
図5−2 燃焼安全装置の基本構成

■ 5.1.2.インターロック

一般的に、ある条件が満足されない場合には、燃焼炉を起動しないか、運転を停止する機能をインター ロックと言う。燃焼炉では、その動作するタイミングによって、「起動インターロック」と「運転インターロック」 とに分けられる。

1. 起動インターロック

燃焼炉の起動条件満足されているか、どうかをチェックする。満足されない場合、燃焼炉を起動しない。

例:排気ダンパ「開」、安全遮断弁「閉」、バーナ燃焼位置「低」・・・

2. 運転インターロック

燃焼炉の運転条件が満足されているか、どうかをチェックする。満足されない場合は、燃焼炉を停止する。

例:燃料圧力「上、下限」、燃焼用空気圧力「下限」、燃料油温度「下限」・・・

■ 5.1.3.セーフティリミット

特に、リミットコントローラが作動して回路が開いた場合は、その状態のままで固定し、異常状態が解除 されても、リミット回路は自動的に戻らず、手動によるリセットが必要な仕組みにしたものを、セーフテイ リミットと言う。

これはプロテクトリレーに内蔵している安全スイッチの考え方と同様に、異常が起きた原因を究明し、その対策をとった後、意識的に手動によりリセットするようにしたもの。

図5−3 セーフテイリミット回路の例
L リミットコントローラ
PB 押釦スイッチ
R 補助リレー
PR プロテクトリレー
図5−3 セーフテイリミット回路の例

(a) 正常な場合、リミットコントローラ「L」の接点がONする。
(b) 押しボタンスイッチ「PB」を押すと、補助リレー「R」はオンし、R1接点ONにより自己保持する。
(c) R2接点ONになり、プロテクトリレー「PR」が起動する。
(d) 異常発生の場合、リミットコントローラ接点がOFFになり、補助リレー「R」がオフする。
(e) R2接点OFFになり、プロテクトリレー「PR」が停止する。
(f) 異常状態が解除の場合、リミットコントローラ接点がONに復帰しても、補助リレー「R]はオフのまま。
(g) 異常状態の原因を究明し、その対策をとった後、意識的に手動により押しボタンスイッチ「PB」を押しリセットして、再びプロテクトリレー「PR」が起動する。

■ 5.1.4.ロックアウトインターロック

特に、インターロックが作動して回路が開いた場合、その状態のままで固定し、燃焼装置が正常に戻っても、回路は自動的に元に戻らず、手動リセットが必要な仕組みにしたものを、ロックアウトインターロックと 言う。

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■ 5.2.燃焼炉の系統別リミットおよびインターロック

図5-4 燃焼炉のリミット・インターロック
図5-4 燃焼炉のリミット・インターロック

■ 5.2.1.ガス配管系

1. ガス圧上限/下限インターロック

主として、運転インターロックとして使われ、起動インターロックを兼ねることもある。ガス圧が設定値以上/以下に上昇/降下すると、回路をオフにし、燃焼を停止させる。インターロックの目的は、ガス圧上昇/降下による燃焼運転中の断火やエアーリッチ燃焼による熱効率低下防止のために使用される。

2. 弁閉止インターロック

燃焼装置を起動する場合、安全遮断弁または監視コックが、閉止していることを確認するため。起動インターロックとして使われ、弁が閉止していないと、回路はオンにならず装置は起動しない。

■ 5.2.2.空気配管系

1. 空気圧下限インターロック

運転インターロックとして使われ、パージ中および燃焼中の空気圧をチェックする。 空気圧が設定値より低い場合は、回路オフにし、燃焼動作に入らないようにし、また、燃焼中であれば燃焼を停止する。インターロックの目的は、空気圧低下による不完全パージやガスリッチによる不完全燃焼を防止するためのインターロックである。

2. 高燃焼インターロック

プレパージを確実に行うために、空気ダンパまたはバタフライ弁を高燃焼位置まで開き、十分な空気量でパージする方式がよく使われ、この場合、ダンパが所定の開度まで開いたことを確認する。運転インターロックの一種で、開度の確認がされるまで、プロテクトリレーの燃焼シーケンスは止まり、接点ONになってからプレパージ時間のカウントを始める。

3. 低燃焼インターロック

主バーナが安全・確実に着火するためには、安定燃焼可能な最低燃焼状態で、着火動作を行うようにする必要がある。この場合、空気および燃料のダンパ又はバタフライ弁が所定の開度まで、閉じていることを確認する。

運転インターロックの一種で、開度の確認が得られるまで、プロテクトリレーの燃焼シーケンスは止まり、接点ONになってから、燃焼動作に入る。高燃焼および低燃焼インターロック共に、モジュトロールモータに補助スイッチを取り付け、この接点を利用する方法が一般的で、ダンパにリミットスイッチを取り付ける方法もある。

図5-5 高燃焼/低燃焼インターロック
図5-5 高燃焼/低燃焼インターロック

■ 5.2.3.燃焼炉におけるリミット・インターロック

1. 排気ダンパ・インターロック

起動インターロックの一種で、装置を起動する場合、プレパージを行うため、排気ダンパは全開している ことが必要条件となる。一般に、ダンパにはリミットスイッチが取り付けられ、ダンパが全開になっていないと接点ONにならず、装置を起動しない。

2. バーナ位置確認・インターロック

起動インターロックの一種で、バーナは、定期的に保守を必要とするため、燃料噴射部、リンケージ機構などが組み付け/分解できる構造もあり、再組み付けの場合は、バーナが正しく取り付けられていることを、このインターロック接点の動作確認してから装置を起動する必要がある。

3. 温度ハイリミット

炉内温度が異常高温になった場合、動作し回路をオフし、燃焼を停止する。温度コントローラとは別にオン/オフ制御の温度調節器などを使う。

4. その他

台車炉などの扉インターロック、油バーナの油圧上/下限インターロック、噴霧蒸気圧の下限、重油予熱 温度の下限インターロックなどがある。また、地震の場合、装置あるいはバーナの運転を停止させる感震リミットも使用される。

■ 5.2.4.ボイラにおけるリミット・インターロック

ボイラ本体に設置するリミットとしては、次の2つが上げられる。
(インターロックについては、前項の燃焼炉と同じで、ここでは省略する)

1. ハイリミットコントローラ

蒸気ボイラ内部の蒸気圧力は、圧力調節計により制御され、異常に圧力上昇すると、ボイラ缶体破裂の事故につながるため、圧力調節器で設定したハイリミット設定値以上に上昇すると回路をオフにし、燃焼を停止する。また、温水ボイラの場合には、オン/オフ制御の温度調節器が使われる。

2. 低水位遮断器

ボイラの缶水が低水位になると、回路をオフにし、燃焼を停止させる。低水位遮断器の目的は、水位が低すぎるとボイラ缶体の温度が設計値以上に上昇し、缶体が空焚きとなり終局には缶体破裂の事故に発展するため、これを防止する。一般に、貫流ボイラの場合は電極式を使用するが、炉筒煙管ボイラの場合は信頼性により、動作/構造の異なる電極方式と機械のフロート方式の両方を併用する。なお、ボイラ水位制御は、厚生・労働省安全衛生規則「基発202」で定められ、水位検出器を2個以上 設置しなければならないとある。

図5-6 ボイラのリミット・インターロック
図5-6 ボイラのリミット・インターロック

3. 電極式低水位遮断器

ボイラの缶体側面に取り付けられたチャンバーに電極棒を数本挿入し、電極間に電流が流れるか否かで水位を検出する。次の図で、電極「D」以下に水位が下がった場合には、電極「E」−「D」間が非導通になり、低水位遮 断警報用リミット接点が動作し、水位が電極「A」まで上がると電極「E」−「A」間が導通し、高水位警報用リミット接点が動作する。

図5-7 電極式低水位遮断器
図5-7 電極式低水位遮断器

4. フロート式低水位遮断器

水位の変化をフロートの上下の動きにより検出し、電気出力信号を出すもので、炉筒煙管ボイラ、鋳鉄ボイラなどに多く使われている。内蔵スイッチは、水銀スイッチまたはマイクロスイッチがある。

図5-8 フロート式低水位遮断器
図5-8 フロート式低水位遮断器

■ 5.2.5.国内の安全基準で要求されているインターロック項目一覧

表5-1 国内の安全基準で要求されるインターロック項目一覧


安全基準
JRA
ガス吸収
冷温水機
日本ガス協会
工業用ガス
燃焼設備
日本ガス協会
ガスボイラ
燃焼設備
厚生・労働省
油・ガス炊 きボイラ
の 燃焼設備
JIS B 8415
工業用燃焼炉
の安全通則
項目
排気ダンパ
△*1
監視コック
半自動方式
主安全
遮断弁 閉
高燃焼
インターロック
○*2 ○*2 *2 △*3 ○*2
低燃焼
インターロック
ガス圧 異常 ○*4 ○*4*5 ○*5
空気圧 異常


[注] *1 都市ガスを取り扱う上での基本的な考え方、6)完全な給排気を行う。
*2 燃焼必要最大空気量の50%以上の風量、最大燃焼時風量の50%以上の大流量の空気。
*3 十分な空気量。
*4 供給圧力により、上限、または下限。
*5 ロックアウト機構。

図5-9 ボイラのリミット・インターロック
図5-9 ボイラのリミット・インターロック

図5-10 リミット・インターロックのプロテクトリレー計装例
図5-10 リミット・インターロックのプロテクトリレー計装例

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