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制御機器の基礎知識 〜スイッチ編〜

第二章 リミットスイッチ・・・定格と特性

1.定格
2.特性

リミットスイッチはマイクロスイッチを内蔵していることから、定格や特性についてお互いに関連がある。

■ 1. 定格

リミットスイッチの適用範囲は、JISでは1000Hzを超えない周波数において定格電圧1000Va.c.以下 または600Vd.c.以下と規定している。

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■ 2. 特性

■ 2.1. 静的特性

(1)絶縁抵抗

DC500Vの絶縁抵抗計で、次の各部の絶縁抵抗を測定し100MΩ以上であること。測定個所は同極端子間、異極端子間、各端子と非充電金属部間、各端子と接地端子間とする。

(2)耐電圧(JIS)

製造業者が定格インパルス耐電圧を宣言している場合、インパルス試験(商用周波試験および直流試験のための耐電圧値)による。 なお、インパルス試験の耐電圧値は、JIS C 8201-1の表12を参照願いたい。
また、定格インパルス耐電圧を宣言していない場合は、定格絶縁電圧に対応する耐電圧値を一分間印加する。なお、定格絶縁電圧の耐電圧値は、JIS C 8201-5-1の表6を参照願いたい。
試験の間、フラッシュオーバ、絶縁破壊など破壊放電の発生がないこと。測定個所は異極端子間、各端子と非充電金属部間、各端子と接地端子間としている。なお、同極端子間については特に規定がなく、一般的にNECA規格の内蔵マイクロスイッチの種類S1、S2に対しては耐電圧値600V、それ以外は耐電圧値1000Vを適用している。

(3)接触抵抗

スイッチに6V〜8Vの直流電圧で1Aの電流を通電し電圧降下法にて測定する。
この場合、極性を変えて測定し100mΩ以下であること。

(4)強度

1) アクチュエータ強度
アクチュエータの動作方向に、動作に必要な力の5倍の荷重を1分間加える。ただし、コイルスプリング形のアクチュエータは水平にし、その先端5mm以内の箇所におもりで荷重を加える。試験後電気的、機械的に異常のないこと。
2) 封入ケース強度
スイッチを厚さ30・以上の堅木板の上に置き、封入ケースの表面に呼び系23.8mm(質量約55g)の鋼球を1mの高さから垂直に各面に1回落下させる。試験後に破損、その他使用上有害な支障を生じないこと。アクチュエータ取付側、コンジット部の方向には、この試験は行わない。

(5)動作特性

力とストローク特性を測定し、各動作特性の数値を読み取る。図5に代表的なプランジャ形とローラレバー形のアクチュエータの位置と動作特性の記号を示す。一般的に動作特性値はバラツキを考慮し、最大や最小またはゾーン表記(ア、〜)で製造業者が規定している。

図5 アクチュエータの位置と記号
図5 アクチュエータの位置と記号

(6)端子の機械的特性(JIS)

1) 締め付け強度
最大断面面積の導体で、5回脱着する。ねじ端子の締め付けトルクは、JIS C 8201-1の表4で規定された締め付けトルク、または製造業者が指定するトルクの110%の値で、いずれか大きい方の値で締め付けを行う。試験中に締め付け金具や端子部に緩みや損傷がないこと。
2) ねん回試験 端子に指定された本数の導体を、JIS C 8201-1の表4で規定された締め付けトルク、または製造業者が指定するトルクで締め付け、JIS C 8201-1の図1に示す、ねん回試験装置で試験を行う。
JIS C 8201-1の表5で規定するおもりを導体の先端につるし、10回/min.の回転速度で直径75mmの円を描くように、135回連続回転させる。
試験中に、導体が端子から抜けたり、締め付け具付近で破損のないこと。
3) 引張試験
ねん回試験に引き続き、JIS C 8201-1の表5で規定する引張力を1分間、導体に加える。
試験中に、導体が端子から抜けたり、締め付け具付近で破損のないこと。
なお導体の種類や試験条件など、詳細な規定事項については、JISを参照願いたい。

■ 2.2. 動的特性

(1)動作位置繰返し精度

スイッチを無負荷で20回開閉し、毎回動作位置を測定し、その最大値と最小値の差を求める。
操作速度は0.1〜1mm/s、 動作位置からのアクチュエータの移動量はOTの値の70〜100%で開閉を行う。
この時、動作位置繰返し精度は、プランジャ形で0.1mm以下、ローラレバー形で0.3mm以下、 縦形のローラレバー形で1度以下であること。

(2)耐久性(JIS)

従来、NECA規格による開閉動作試験が一般的に適用されていたが、今後はJISによる下記の耐久性試験に移行していくと思われる。一般的な試験条件として、操作力は最大動作力(OFまたはTTF)の1.5倍以下または操作ストロークはOT値の50%〜80%のどちらか一つの条件を満足させる。また、接点不を開閉する操作速度が0.05m/sから0.15m/sに調整する。耐久性は試験回数の90%以上の回数で定義する。詳細は、こちらを参照願いたい。


(3)投入容量および遮断容量(JIS)

一般的な試験条件は、前項の耐久性と同じである。
投入容量および遮断容量は、正常条件下および異常条件下の投入容量および遮断容量の試験を行う。
試験中に電気的、機械的な故障や接点溶着、アークの持続、フェーズの溶断があってはならない。
また、正常条件の投入容量および遮断容量の試験中、発生する開閉過電圧は製造業者が宣言する
格インパルス耐電圧値を超えないこと。
試験後、定格仕様電圧(Ue)の2倍の耐電圧試験に耐える。ただし、試験電圧は1000V以上とする。

1) 正常条件の投入容量および遮断容量 スイッチを規定の負荷条件のもとに、故障することなく規定の動作回数を開閉する。
詳細な規定事項については、こちらを参照願いたい。
2) 異常条件の投入容量および遮断容量
スイッチを規定の負荷条件のもとに、故障することなく規定の動作回数を開閉する。
詳細な規定事項については、こちらを参照願いたい。

(4)温度試験(JIS)

スイッチにJIS C 8201-1の表8に示すような電線を接続し、定格通電電流を通電し、次に示す方法で測定する。 周囲温度は、スイッチの高さで約1mの距離で、スイッチの周囲に均等に配置した最低ニつの熱電対など の温度測定器で記録する。試験中、周囲温度は10〜40℃とし、かつ10Kを超える変化がないこと。
試験は、8時間を超えない範囲で温度上昇が十分飽和に達するまで実施される。温度変化が1時間当たり 1Kを超えなくなったとき、飽和状態に達したとみなす。
端子部の温度上昇限度とアクセスできる部分の温度上昇限度については、こちらを参照願いたい。

(5)短絡試験(JIS)

接点素子は、JIS C 8201-1の付図8に示すような単相回路に直列に挿入した別の投入スイッチで電流を投入し、製造業者が指定した短絡保護装置(SCPD)が銅さするまで維持する。試験回路の負荷インピーダンスは、一般的には推定電流が1000A、力率は0.5〜0.7になるように調整する。
試験は、同一接点素子で、3分以上の間隔でSCPDを交換し3回行う。
試験後、電気的及び機械的に異常がないこと。また定格使用電圧(Ue)の2倍の耐電圧試験に耐えること、。ただし、試験電圧は1000V以上とする。詳細な規定事項については、JISを参照願いたい。

■ 2.3. 環境特性

(1)衝撃

スイッチのアクチュエータの自由位置と動作限度位置とのニつの場合において、それぞれ表6に示す大きさの衝撃を最も誤動作の起こしやすい方向に連続3回加える。この時スイッチは1msをこえて閉路接点が開路することなく、また開路接点の閉路がないこと。機械的及び電気的異常のないこと。
なお、基本パルスの波形は正弦半波パルスとする。

表6 衝撃値

封入ケース アクチュエータ 衝撃値(単位:m/s2
N P1,L1 294
E P1 196
L1 196
F P1 196
L1 98
L P1,P2,L1,L2 294
L3 196
L4 294
F1 196
M P2,P3 196

(2)振動

スイッチの自由位置と動作限度位置と二つの状態について、上下、左右、前後の3軸方向にそれぞれ次の条件で連続2時間振動を与える。振動条件は、片振幅0.75mm、振動数10〜55Hzの範囲内で連続的にほぼ均一に変化する単弦運動で行う。ただし、振動数の変化の1周期に要する時間は3〜5分とする。この時スイッチは1msを超えて閉路接点が開路することなく、また開路接点の閉路がないこと。なおコイルスプリング形 のアクチュエータについては、この試験は行わない。

(3)温度(温湿度サイクル)

スイッチを試験槽内に入れ、相対湿度90〜100%の下で試験槽内の温度を22℃から55℃に3時間かけて上昇させる。55℃の相対湿度は90〜96%に保つ。25℃の温度を初期(温度上昇しはじめた時点)より24時間 まで保つ(図6)。以上を1サイクルとし、これを連続6サイクル行う。この時、絶縁抵抗は10Mス以上、耐電圧は規定の試験電圧に耐え(同極端子間は除く)、電気的および機械的に異常のないこと。

図6 湿温度サイクル試験

図6 湿温度サイクル試験

(4)耐寒耐熱

スイッチを?40〜45℃の温度中に48時間以上保ち、直ちに85〜95℃の温度中に48時間以上保った後常温に保つ。この時、絶縁抵抗は10Mス以上、耐電圧は規定の試験電圧に耐え(同極端子は除く)、電気的および機械的に異常のないこと。

(5)塩水噴霧

JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)に規定する方法でスイッチを100時間塩霧にさらし、水洗、乾燥後絶縁抵抗を測定する。このとき絶縁抵抗は10Mス以上であること。また耐電圧は規定の試験電圧に耐えること。ただし、同極端子は除く。機械的及び電気的に異常のないこと。

(6)保護構造(JIS)

保護構造の試験は、固形物の侵入および水の侵入にたいする外郭の保護等級(IPコード)で表示される。
また、JISで規定する保護構造の他に、NECA規格では、油点動作試験の規定がある。その試験条件は、次のとおりである。
スイッチを毎分10回の割合で動作させ、これにJIS K 2241(切削油剤)不水溶性2種5号、またはこれと同等の油を毎時0.51の割合で48時間滴下する。なお、全動作を通じ、スイッチには定格電流の10%の抵抗負荷をかけて開閉を行うものとする。試験後、電気的及び機械的に異常のないこと、
以上の特性において、「電気的及び機械的に異常のないこと」とは、NECA規格では、動作特性の値の30%を超えないこと。絶縁抵抗は100Mス以上であること。ただし、塩水噴霧及び湿度試験は10Mス以上であること。開閉試験後の接触抵抗は2Mス以下であることをいう。

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