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制御機器の基礎知識〜マイクロスイッチ編〜 |



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■ 1. スナップアクション |

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マイクロスイッチは、スイッチを操作する速度と無関係に、可動接点が、固定接点から他の固定接点に高速で移動する動作機構をもっている。スナップアクションのマイクロスイッチは、接点の開離が速いので、接点間に生じるアーク時間が短く、その結果、接点消耗の少ない特徴をもっている。 |


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■ 2. スイッチの動作原理 |

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スナップアクションさせるための機構は、引張りばねと圧縮ばねを組合せたばね機構である。
代表例として、NECA規格の基本機構「一般形(Z形)」の動作原理を図7に示す。 |

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図7 一般形(Z形)の動作原理 |

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スイッチの動作 |
力の関係 |
| 自由位置 |
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| 動作位置 |
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| 動作限度位置 |
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F0:合成力
F1:圧縮ばねによる反力
F2:引張りばねによる張力 |
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(1)スイッチのアクチュエータに外力の加わっていない自由位置では
F0=F1+F2
となり、可動接点cは、固定接点bに力F0で圧接する。
(2)スイッチのアクチュエータに外力を加え、引張りばねが下にたわんでいくと F1=F2
となり、F0=0の平衡状となる。これがスイッチの動作位置(OP)である。 このとき、可動接点cと固定接点bは、開離状態となる。
(3)さらに外力を加えていくと、自由位置のときと逆方向の力F0が生じ
F0=F1+F2
となり、可動接点は、対向する固定接点aに移動し、圧接する。
マイクロスイッチは、すべてこの動作原理を利用し、アクチュエータを押す速度には無関係に接点の開閉を行う。この時可動接点は、水平方向にしゅう動し、接点表面を浄化する作用と、軽い接点溶着を引きはずす作用を併せ行っている。 |


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■ 3. カ・ストローク・接点接触力の特性 |


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(1)接点接触力の減少に伴う、開閉動作の不安定状態を避けるため、動作位置(OP)またはもどりの位置(RP)付近でアクチュエータを止めないで、規格値内で十分なストロークをとる。
(2)振動や衝撃が大きい場合、接触不安定が起きやすくなる。応差の動き(MD)の大きなスイッチを選定するとともに、規格値内で十分なストロークをとる。
(3)接触抵抗の増大または不安定が問題となる微小負荷の開閉では、適切なアクチュエータの操作速度と規格値内で十分なストロークをとる。 |
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■ 4. 接点切替時間 |


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特に微速度操作用に設計されたスイッチでは10-5mm/秒まで使用できるものがある。接点切替時間のグラフは図9となる。開離不安定時間は、接点接触力が0になる寸前の不安定により起こり、バウンス時間は、可動接点の、ON側固定接点への機械的な衝突による跳躍により起こる。反転時間とこの両者を含んだ時間幅を切替時間という。通常20〜60m
sec 程度である。 |


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■ 5. スイッチの外形と構造 |

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マイクロスイッチの部品は、五つの要素からなっている。 |

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(1)ばね用ベリリウム銅、りん青銅及び洋白のばねを用いたスナップアクション機構
(2)銀及び金などの電流開閉を行う接点部
(3)フェノール樹脂など、丈夫で吸湿性の少ない良好な電気的特性をもつハウジング
(4)耐磨耗性の材料をもちいたアクチュエータ
(5)銅または黄銅の接続端子 |
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NECA規格で規定されているマイクロスイッチの種類に従って外形図および動作特性、構造、その特徴について説明する。なお、動作特性の詳しい定義については2.1(4)動作特性の項参照のこと。 |


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■ 5.1. Z形及びA形マイクロスイッチ |

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(1)外形および動作特性
図10にピン押ボタンZ形アクチュエータの外形図および動作特性を示してある。 |

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図10 ピン押ボタンZ形マイクロスイッチの外形図と動作特性 |

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スイッチの
区分 |
Z4G |
| 端子 |
はんだ付端子 |
| 接触形式 |
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| 動作特性 |
| 動作に必要な力 |
(OF) |
: |
3.73N(最大) |
| もどりの力 |
(RF) |
: |
1.12N(最小) |
| 動作までの動き |
(PT) |
: |
1.0mm(最大) |
| 動作後の動き |
(OT) |
: |
0.13mm(最小) |
| 応差の動き |
(MD) |
: |
0.13mm(最大) |
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(2) 構造
構造例として、基本機構「一般形、Z4GL07B」を図11に示す。 |

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図11 Z4GL1L07Bの構造図 |

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| 番号 |
名称 |
材質 |
番号 |
名称 |
材質 |
| 1 |
歯付
座金付ねじ |
ねじ:黄銅、
座金:リン青銅 |
8 |
ローラ |
デルリン |
| 2 |
インサート |
黄銅 |
9 |
ローラー
シャフト |
ステンレス鋼 |
| 3 |
アンカー
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黄銅 |
10 |
プラケット |
ステンレス鋼 |
| 4 |
プランジャ |
メラミン
樹脂 |
11 |
接点 |
純銀 |
| 5 |
レバー |
ステンレス鋼 |
12 |
接点板 |
黄銅 |
| 6 |
可動ばね |
ベリリウム銅 |
13 |
ケース |
フェノール
樹脂 |
| 7 |
レバーばね |
ピアノ線 |
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(3)特徴
数多いマイクロスイッチのなかでも最も基本となるスナップアクション機構をもち、寿命および精度の点ですぐれているのがZ形である。
Z形はあらゆる用途での応用が可能なように表4に示したアクチュエータの種類のスプリング押しボタン形および回転軸形(NECA規格記号P11及びW01)を除くすべてのものが揃っている。
電気規格は、NEA規格形名Z4と呼ばれる15A定格通電電流が最も一般的であるが、接点材質および形状を変えることにより、0.1Aから15Aまで可能である。
スイッチの諸性能に影響を及ぼす接点間隔は用途に応じて使い分けることが大切であり、0.25mmから1.80mmまで各マイクロスイッチメーカは基準または準標準製品として揃えている。なお、電気規格、寿命および精度などの点から大半の応用において満足するレベルにあるのは0.50mmのタイプ(NECA規格形名Z4G)であり、最も広く使われている。Z形スイッチはそれ意外の基本構造をもったマイクロスイッチと比較した場合、動作精度、感度および寿命の点で非常に優れているのが特長である。特に動作後の動きを規格値内で使用した場合の機械的寿命は2000万回以上である。
一方、「高容量一般形」と呼んでいるA形マイクロスイッチは、Z形スイッチではカバーできない20〜25A通電電流を必要とする回路に適用する。ことに、誘導負荷やランプおよびモータ負荷などの場合スイッチ投入時大きな電流が流れるため、Z形スイッチでは早期に溶着などを起こし使用できなくなる場合もある。 |


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■ 5.2. V形マイクロスイッチ |

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(1)外形および動作特性
図12にピン押ボタンZ形アクチュエータの外形図および動作特性を示してある。 |

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図12 ピン押ボタンV形マイクロスイッチの外形図と動作特性 |

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スイッチの
区分 |
V3F |
| 端子 |
はんだ付端子 |
| 接触形式 |
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| 動作特性 |
| 動作に必要な力 |
(OF) |
: |
3.92N(最大) |
| もどりの力 |
(RF) |
: |
0.49N(最小) |
| 動作までの動き |
(PT) |
: |
1.6mm(最大) |
| 動作後の動き |
(OT) |
: |
0.3mm(最小) |
| 応差の動き |
(MD) |
: |
1.0mm(最大) |
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(2)構造
構造例として、基本機構「小形、V4FL03C」を図13に示す。 |

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図13 V4F1L03Cの構造図 |

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| 番号 |
名称 |
材質 |
番号 |
名称 |
材質 |
| 1 |
ローラー
シャフト |
黄銅 |
7 |
端子 |
黄銅 |
| 2 |
ローラ |
無給油性
ポリアゼタール樹脂 |
8 |
ケース |
フェノール
樹脂 |
| 3 |
プランジャ |
メレミン樹脂 |
9 |
受金 |
黄銅
(銀めっき) |
| 4 |
レバー |
ステンレス鋼 |
10 |
接点 |
純銀 |
| 5 |
ばね |
ベリリウム銅 |
11 |
端子 |
黄銅
(銀めっき) |
| 6 |
可動片 |
黄銅 |
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(3)特徴
V形マイクロスイッチは、Z形からA形までのスイッチの約1/3の大きさであり、かつ比較的高容量の開閉能力をもたせたタイプである。V形スイッチは、小型にするためピン押ボタンの動きを受金を介して可動片に伝えている。この構造のためにスイッチの動作点と復帰点の差、すなわち応差の動きが大きくなり、温度や圧力など微小な動きの検出には向かない、また小形にしたことにより、アクチュエータの種類も限られ、ピン押ボタン形かレバー形になる。V形スイッチは大きさと価格がてごろであり、また電気定格及び寿命など性能面でも大半の用途に満足するため、各種基本機構をもったスイッチの中で最も数多く使用されている。 |

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■ 5.3. T形マイクロスイッチ |

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(1)外形および動作特性
図14にピン押ボタン形アクチュエータの外形図および動作特性を示してある。 |

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図14 ピン押ボタンT形マイクロスイッチの外形図と動作特性 |

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スイッチの
区分 |
T3G |
| 端子 |
はんだ付端子 |
| 接触形式 |
 |
| 動作特性 |
| 動作に必要な力 |
(OF) |
: |
8.83N(最大) |
| もどりの力 |
(RF) |
: |
0.83N(最小) |
| 動作までの動き |
(PT) |
: |
1.8mm(最大) |
| 動作後の動き |
(OT) |
: |
0.15mm(最小) |
| 応差の動き |
(MD) |
: |
0.08mm(最大) |
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■ 5.4. S形及びJ形マイクロスイッチ |

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(1)外形および動作特性
図15にピン押ボタンS形アクチュエータの外形図および動作特性を示してある。 |

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図15 ピン押ボタンS形マイクロスイッチの外形図と動作特性 |

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スイッチの
区分 |
S2H |
| 端子 |
はんだ付端子 |
| 接触形式 |
 |
| 動作特性 |
| 動作に必要な力 |
(OF) |
: |
1.47N(最大) |
| もどりの力 |
(RF) |
: |
0.25N(最小) |
| 動作までの動き |
(PT) |
: |
0.80mm(最大) |
| 動作後の動き |
(OT) |
: |
0.13mm(最小) |
| 応差の動き |
(MD) |
: |
1.10mm(最大) |
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(2)構造
構造例として、基本機構「超小形、S2H1L02A」を図16に示す。 |

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図16 S2H1L02Aの構造図 |

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| 番号 |
名称 |
材質 |
番号 |
名称 |
材質 |
| 1 |
レバー |
ステンレス鋼 |
6 |
可動接点 |
純銀 |
| 2 |
プランジャ |
フェノール樹脂 |
7 |
NO接点 |
純銀 |
| 3 |
可動ばね |
ベリリウム銅 |
8 |
端子 |
純銅 |
| 4 |
可動片 |
ベリリウム銅 |
9 |
受金 |
純銅 |
| 5 |
NC接点 |
純銀 |
10 |
ケース |
耐熱
フェノール樹脂 |
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(3)特徴
「超小形」とよばれるS形マイクロスイッチは、外形寸法をV形スイッチよりさらに小さくしたのもである。このタイプはV形スイッチに使用していたような受金機構がなくピン押ボタンが直接可動片を押すので応差の動きが小さく、比較的制度もよい。
S形スイッチの定格通電電流は、ドライサーキットに適した0.1A用から5Aまでが一般的であり、5Aを超える負荷開閉用としては適さない。そのスイッチはスペース上限定される場合や、高密度取付を必要とされる小形機械・装置での応用が多い。
アクチュエータの種類は、レバー形が各種揃っているがプランジャ形ピン押ボタン形のみであり、動作後の動きが少ないので注意する必要がある。
端子は、ねじ締タイプはなく、はんだ付端子が最も一般的である。
J形マイクロスイッチは、S形スイッチよりさらに小さい「極超小形」であり、S形と同様の約5A程度の開閉能力がある。S形でも大きすぎるような場所へ使用されている。しかし寿命的に劣るのと、価格はS形の数倍するため、限られた用途にのみ使われているにすぎない。J形のアクチュエータはピン押ボタンが標準で、レバー形も一部製品にみられるが補助アクチュエータを使用する例が多い。 |


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■ 6. NECA規格以外のマイクロスイッチ |

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前項で説明したスイッチは、表1のNECA規格に規定されているものであるが、NECA規格に分類されていないものの中にも比較的多く使用されているマイクロスイッチがあるのでそのものについて以下で説明する。 |

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■ 6.1. 密閉形及び防浸形マイクロスイッチ |



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■ 6.2. その他のマイクロスイッチ |

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その他として、振動や衝撃の激しい場所の使用に適した「逆動作形マイクロスイッチ」、直流回路での安定した動作が得られる「磁気消弧形マイクロスイッチ」、速い応答回路の入力信号の使用に適した「無接点形マイクロスイッチ」などがある。 |

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