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制御機器の基礎知識〜マイクロスイッチ編〜

第三章 マイクロスイッチ・・・定格と特性

1.定格
2.性能・特性

■ 1. 定格

JISでは、最大定格電圧が440V、最大定格電流が63Aと定められている。製造メーカはこの範囲内で、定格電圧と負荷の種類に対する定格電流を指定している。

■ 1.1. 交流定格

マイクロスイッチは、他のスイッチに比べて、小形で接点間隔が小さく、動作特性・精度・感度などの特性を必要としているので、抵抗負荷以外の負荷の場合には種々の制限をうけるので、注意が必要である。一般的には、誘導負荷の場合の開閉電流は抵抗負荷の場合の60%前後となり、電動機負荷などの場合には、10〜30%前後となる。

製造メーカが指定する定格電圧と負荷の種類に対する定格電流の値は、電気的耐久性として後記する開閉ができる条件の値を示している。一般には平均寿命はこれよりも大きく期待できるが、負荷の状態(負荷の種類、負荷の値)によって、千差万別になる。図19には交流負荷による平均寿命の傾向を示している。

図19 マイクロスイッチの交流負荷 による平均寿命の傾向

図19 マイクロスイッチの交流負荷 による平均寿命の傾向

基本
機構
定格
通電
電流
負荷の区域
平均寿命(万回)
A-A' B-B' C-C' D-D' E-E' F-F'
Z.R形 1
5
10
15
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
50
-
-
50
150
-
50
150
600
50
150
600
(2000)
Y形 10 - - - 10 50 150
D形 5
10
-
-
-
-
-
-
-
50
50
150
600
(600)
A形 20
25
-
10
10
20
50
50
150
150
(600)
(350)
(2000)
(900)
V形 1
5
10
15
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
10
-
-
10
50
-
10
50
150
10
50
150
(300)
W形 5
10
-
-
-
-
-
-
-
10
10
50
50
150
T形 5
10
-
-
-
-
-
50
-
50
50
150
150
(2600)
S形 1
5
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5
5
10
J形 1
5
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5
5
10
CK形 1
5
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5
5
10

備考 ( )は、機械的寿命で著しく左右される

またマイクロスイッチは、大きな突入電流を投入すると、その発生する熱によって、接点が溶着してしまうことがある。

従って投入可能な最大突入電流からもスイッチの定格電流を決める必要がある。突入電流は誘導負荷の場合は定常電流の6倍、電動機・電磁コイル・白熱電球などの場合は10倍と考えられる。スイッチの投入可能な最大突入電流をまとめると表7のようになる。

表7 マイクロスイッチの最大開閉可能突入電流

基本
構造
最大突入電流(A) 基本
構造
最大突入電流(A) 基本
構造
最大突入電流(A)
常時閉路接点 常時開路接点 常時閉路接点 常時開路接点 常時閉路接点 常時開路接点
Z形 30 15 W形 40 20 Y形 40 20
A形 75 75 C形 5 5 S形 15 15
V形 30 15 D形 30 15 S形
(金接点)
2 2

交流定格は、表8に示した試験を満足する必要がある。

表8 交流回路用電気的耐久試験負荷

分類された回路の種類 動作 定格電圧(r.V.) 定格電流(r.m.s) 力率(±0.05)
抵抗負荷 投入及び遮断 r.V. I-R 0.95
抵抗及び/又は電動機負荷 投入 r.V. I-M又はI-R * 0.60
0.95
遮断 r.V. I-R又はI-M * 0.95
抵抗及び容量負荷 投入及び遮断(JISの図9に示す回路で試験する)
白熱ランプ負荷 投入 r.V. 10×I-R又はI-L * 0.95
遮断 r.V. I-R又はI-L *
製造業者の定めた負荷 投入及び遮断 r.V. 負荷によって定まる値

備考 I-L=ランプ負荷電流 I-M=電動機負荷電流 I-R=抵抗負荷電流
* いずれか大きい電流、等しければ不利な値。

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■ 1.2. 直流定格

直流回路で使用するときは、交流回路に比べて開閉電流は相当小さくなるので注意する必要がある。これは小さい接点間隔やアークの影響によるものであるが、それに加えて接点の消耗もはげしく、転移現象も起こしやすいので、かなり制限を受けるわけである。製造メーカが指定する定格電圧と負荷の種類に対する定格電流の値は、やはり電気的耐久性として開閉が可能である条件の値を示している。マイクロスイッチは、接点間隔が小さいので、大きな電流を遮断すると、一度発生したアークが切れなくなることがある。従って直流回路の遮断には接点間隔の大きなものほど効果がある。図20は直流回路にマイクロスイッチを使うときの接点間隔と遮断容量の関係を表示している。直流の大電流を開閉するには、前記した磁気消弧形マイクロスイッチが用いられるが、その定格の一例を示すと表9のようである。
図20 直流回路に適用したときの
接点間隔と遮断容量

図20 直流回路に適用したときの接点間隔と遮断容量

表9 磁気消弧形マイクロスイッチ(直流用)の定格の例

負荷の種類 極(+-)性を決めて使用した場合
125VDC 250VDC
無誘導負荷
(抵抗負荷)
10A 1.5〜3.0A
電動機負荷 400W -
誘導負荷 5A 0.5A

直流定格は、表10に示した試験を満足する必要がある。

表10 直流回路用電気的耐久試験負荷

分類された回路の種類 動作 定格電圧(r.V.) 定格電流(r.m.s.) 時定数(±1ms)
抵抗負荷 投入及び遮断 r.V. I-R 非誘導性
白熱ランプ負荷 投入 r.V. 10×I-L又はI-R * 非誘導性
遮断 r.V. I-R又はI-L *
製造業者の定めた負荷 投入及び遮断 r.V. 負荷によって定まる値

備考 I-L=ランプ負荷電流 I-M=電動機負荷電流 I-R=抵抗負荷電流
* いずれか大きい電流、等しければ不利な値。

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■ 2. 性能・特性

マイクロスイッチの性能、特性をまとめてみると表11のようになる。この表に見られるように種々の条件が相互関係しあっており、使用にあたってはこの点を十分考慮の上、機種を選定することが大切である。以後JIS C 4526-1及びNECA C 4505の内容を基にそれぞれの特性について述べる。 表11マイクロスイッチの性能・特性



絶縁性 絶縁抵抗
耐電圧
耐衝撃電圧(サージ)
動作特性 接触抵抗
動作特性
力・ストローク特性
その他の特性 接点接触力特性
バウンス
接点切替時間
強度



機械的 繰返し精度
繰返し偏差
操作速度-作動体
電気的 寿命
開閉能力
接触信頼性
温度上昇



物理的 耐衝撃性
耐振動性
耐湿性
耐熱耐寒性
化学的 耐腐食性
耐水性
耐油性
その他の特性 はんだ耐久性
はんだ付け性


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■ 2.1. 静的特性

(1)絶縁抵抗
NECA規格では、直流500Vの絶縁抵抗計で、スイッチの二つの非連続端子間及び各端子と非充電金属部との間の絶縁抵抗を測定し、100Ω以上でなければならないと定めている。
(2)耐電圧
NECA規格では、表12に示すスイッチの測定部に、50Hzまたは60Hzの正弦波に近い試験電圧を1分間加え、これに耐えなければならないと定めている。ただし判定に疑義を生じない場合は、試験電圧値の110%の電圧を1秒間加えてこれに代えてもよい。

表12 耐電圧試験電圧

測定部 試験電圧(V)
同極端子間(接点間隔0.25mm) 600
同極端子間(接点間隔0.5、1及び1.8mm) 1000
異極端子間(注1)
各端子と非充電金属部間
各端子とアース間(注2)
2E+1000(Eはスイッチの最高定格電圧)

注1 W、T、Yの各端子間は、同極端子間の試験電圧を適用する。
注2 取付穴を用いて金属板に固定して試験する。
この場合、端子部と金属板との間の絶縁距離は定格電圧が250V以下のものは1.5mm、250Vを超えるものは3.2mm以上になるように絶縁物を用いて行う。

JISでは、初期の耐電圧を規定するものはないが、後述する湿度試験後の耐電圧(表13)は規定されている。今後は表13の耐電圧値が一般的になっていくと思われる。 表13 試験電圧
試験を行う絶縁又は断路   試験電圧 V
定格電圧 V
を超え - 50 130 250
以下 50 130 250 440
機能絶縁 500 1000 1250 1500
基礎絶縁 500 1000 1250 1500
保護絶縁 1500 2500 2750
強化絶縁 500 2500 3750 4250
完全遮断の間 500 1000 1250 1500
微小遮断の間 150 390 750 1320


(3)接触抵抗
NECA規格において、次のように規定している。スイッチのアクチュエータを自由位置及び動作限度位置にして、6〜8Vの直流電流で1Aの電流を通電し(ただし、スイッチの定格電流が1A未満のものは、試験電流は定格通電電流とする)、接触抵抗の高い極性(電流の方向)を見いだす。次に、接触抵抗の高い極性(電流の方向)で連続3回測定したとき、50mΩ以下でなければならない。ただし、W、T、Y、C、K、OF0.25NのV及び定格通電電流0.1Aのものは、100mΩ以下であること。一般的に接触抵抗は接点接触力に関係するので、通常の測定条件としては共通端子と常時閉路端子間のときは、アクチュエータは自由位置とし、共通端子と常時開路端子間のときは、アクチュエータを動作限度位置に定めている。
(4)動作特性
マイクロスイッチには、独特な動作特性があり、これを使いこなすためには是非とも理解しなければならないのもである。NECA規格による、この動作特性の用語をまとめたのが表14である。標準的には表14に示した動作特性のうち、

動作に必要な力(OF)
もどりの力(RF)
動作までの動き(PT)
動作後の動き(OT)
応差の動き(MD)
動作位置(OP)

の六つの特性で、代表して表される。

表14で特に注意を要するのは、バラツキの表示方法の欄であるが、その解釈のしかたを2〜3の例をあげて説明する。

1. OFについての最大というのは、OFのバラツキの最大値を表しており、使用に際しては必ずこの値以上の力を加えねばならない。
2. RTについての最大というのは、OFと同様、使用に際しては必ずその値以上の距離を押さなければならない。
3. OTについて最小と表示しているのは、OTがそのバラツキの最小値を表しており、使用に際してはその値以下に止どめなければならない。(一般的にはOTの値の70〜100%)

なお、第ニ章 5.スイッチの外形と構造の項にその代表的機種について、動作特性の具体的な値を示しているので参照されたい。これ以外については余りにも多岐に渡るので、詳しくは、NECA C 4505(マイクロスイッチ)または個々の仕様書を参照されたい。

表14 動作特性の定義

分類 用語 略号 単位 バラツキの表示方法 定義
動作に必要な力
(Operating Force)
OF N
N・m
最大〜 自由位置から動作位置に動かすのに必要なアクチュエータに加える力
もどりの力
(Releace Force)
RF N
N・m
最小 動作限度位置からもどりの位置まで動かすのに必要なアクチュエータに加える力
全体の動きに必要な力
(Totaltravel Force)
TTF N
N・m
動作位置から動作限度位置まで動かすのに必要なアクチュエータに加える力

動作までの動き
(Pretravel)
PT mm度 最大〜 アクチュエータの自由位置から動作位置までの移動距離、又は移動角度
動作後の動き
(Overtravel)
OT mm度 最小 アクチュエータの動作置から動作限度位置までの移動距離、又は移動角度
応差の動き
(Movement Differential)
MD mm度 最大 アクチュエータの動作位置からもどり位置までの移動距離、又は移動角度
全体の動き
(Totaltravel)
TT mm度 アクチュエータの自由位置から動作限度位置までの移動距離、又は移動角度

自由位置
(Free Position)
FP mm度 外部から力が加えられていないときのアクチュエータの位置
動作位置
(Operating Position)
OP mm度 ± アクチュエータの外力が加えられ、可動接点が自由位置の状態からちょうど反転するときのアクチュエータの位置
もどりの位置
(Releace Position)
RP mm度 アクチュエータの外力を減少させ、可動接点が動作位置の状態から自由位置の状態にちょうど反転するときのアクチュエータの位置
動作限度位置
(Totaltravel Position)
TTP mm度 アクチュエータがアクチュエータ止めに到達したときのアクチュエータの位置

(5)バウンス
マイクロスイッチは、スナップアクションにより接点が反転した後、接点跳躍現象が現れる。この現象をバウンス(Bounce)というが、スイッチの耐久性を左右する要因の一つである。

バウンスはできるだけ少なくするように努めても、ゼロにすることはできない。

その値はスイッチにより違いはあるが、数ms程度であり、動作速度や開閉頻度にはほとんど依存しない。なお、バウンスが問題になるのは、特に高感度な負荷を制御する場合などで、この時間の長さが負荷の誤作動をまねく原因となるので、このような場合適当な吸収回路を考える必要がある。
(6)強度
JISでは、アクチュエータ、ねじ部及びタブ端子の強度については、以下のように定められている。

1. アクチュエータ強度
引張力15Nを1分間加えて、アクチュエータの外れがないこと。次に、押圧力30Nを加え、以後の使用を阻害するような損傷があってはならない。
2. ねじ部の強度
ドライバを用いて締付ける一般的な金属材料同士のねじの場合、規定された最大断面積の導体で、表15に示すトルクに締付ける動作と緩める動作を5回行い、以後の使用を阻害するような損傷があってはならない。
表15 ねじ端子の強度試験トルク
ねじの公称直径
mm
トルク
Nm
を超え 以下
2.2 2.8 0.4
2.8 3.0 0.5
3.0 3.2 0.6
3.2 3.6 0.8
3.6 4.1 1.2

3. タブ端子の強度
雌形コネクタを差込み及び引き抜きし、以後の使用を阻害するような損傷があってはならない。

(7)空間距離、沿面距離及び絶縁物をとおしての距離
JISに、空間距離、沿面距離及び絶縁物をとおしての距離が規定されている。空間距離と側面距離は表16の数値以上でなければならない。また、絶縁物をとおしての距離は50V以上のワーキング電圧の場合、最小0.4mm厚の保護絶縁及び最小0.8mmの強化絶縁でなければならない。

表16 空間距離及び沿距離

  ワーキング電圧に対し要求される距離(mm)
50V以下 50Vを超え
130V以下
130Vを超え
250V以下
250Vを超え
440V以下
沿面
距離
空間
距離
沿面
距離
空間
距離
沿面
距離
空間
距離
沿面
距離
空間
距離
機能絶縁
密封又は容器入り
清浄
通常/汚れ
0.4
0.5
2.0
0.4
0.5
1.5
1.0
1.0
2.0
1.0
1.0
1.5
1.3
2.0
3.0
1.3
0.5
2.0
1.7
2.0
4.0
1.7
2.0
3.0
基礎絶縁
清浄
通常/汚れ
0.5
2.0
0.5
1.5
1.0
3.0
1.0
3.0
2.0
3.0
2.0
3.0
2.0
4.0
2.0
3.0
強化絶縁
清浄
通常/汚れ
-
-
-
-
5.0
8.0
4.0
6.0
5.0
8.0
4.0
6.0
5.0
8.0
4.0
6.0
保護絶縁
清浄
通常/汚れ
-
-
-
-
3.0
4.0
3.0
4.0
3.0
4.0
3.0
4.0
3.0
4.0
3.0
4.0
完全遮断の間
清浄
通常/汚れ
2.0
2.0
2.0
2.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
4.0
3.0
3.0
微小遮断の間 *
清浄
通常/汚れ
0.5
2.0
0.5
0.5
2.0
3.0
1.5
2.0
2.0
3.0
1.5
2.0
2.0
4.0
2.0
3.0

* 微小遮断の間で規定する空間距離は、接点間隔及び接点の動きによって変化する通電部の間隔には適用しない。端子部以外の部品間の空間距離は接点間隔を下回らない値まで下げることができる。ただし、少なくても以下の値以上のこと。
-250V以下のワーキング電圧に対しては、0.5mm
-250Vを超え440V以下のワーキング電圧に対しては、1.0mm

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■ 2.2. 動的特性

(1)動作位置繰返し精度
スイッチが正確な制御に使用できるかどうかは動作位置の繰返し精度(信頼度)とその繰返し偏差(安定度)の二つの特性によって決まる。この二つの特性の関係は図21のようである。

NECA規格では、動作位置繰返し精度はスイッチを無負荷、操作速度0.1〜1mm/秒で動作位置を20回測定し、その最大の値と最小の値との差が表17の値以下でなければならないと定めている。ただし、動作位置からのアクチュエータの移動量は、OT(動作後の動き)の規格値の70〜100%とする。

動作位置の繰返し偏差(安定度)は最初の動作位置からのズレで表す。これはスイッチの磨耗、老化などに原因がある。
図21 信頼度と安定度

図21 信頼度と安定度

表17 動作位置繰返し精度

スイッチの種類 動作位置
繰返し精度
Z形・R形・Y形・A形・V形(OF1.96N以上)・S形・J形の押しボタン形
V形(OF2.45以上)のヒンジ短レバー形及びヒンジローラ短レバー形
0.05mm
D形・V形(OF0.74N以下)・W形・T形のピン押しボタン形
Z形・R形・Y形のスプリング細押しボタン形
Z形・Y形・A形のパネル取付形
Z形・Y形のローラパネル取付形
Z形・R形・Y形・A形のリーフスプリング形
Z形・R形・Y形・A形のローラリーフスプリング形
V形(OF0.74N以下)のヒンジ短レバー形及びヒンジローラ短レバー形
Z形・R形・Y形のスプリング短押しボタン形
A形のスプリング押しボタン形
0.1mm
Z形のヒンジ短レバー形
A形のヒンジローラ短レバー形
0.15mm
Z形・R形・Y形・D形・A形・V形(OF1.47N以上)・S形のヒンジレバー形
Z形・Y形・D形・A形・V形(OF1.47以上)・S形のヒンジローラレバー形
Z形・Y形・D形のヒンジローラ短レバー形
0.2mm
V形(OF0.34N)のヒンジレバー形及びヒンジローラレバー形
0.3mm
C形・K形の回転軸形
2.0度

(2)電気的耐久性
JISでは、以下に示すからの四つの開閉試験を同一試料で実施し、次の事項を満足しなければならないと定めている。

すべての動作が仕様どおり機能しなければならない。
後述する温度上昇試験と同様の試験を実施し、端子の温度上昇が55Kを超えてはならない。ただし、周囲温度は25℃±10℃、電流は定格電流とする。
表13による耐電圧値の75%を1分間加え、フラッシュオーバーがないこと。

1. 加速度で行う増加電圧試験
電気的条件:表8表10に規定する条件で、定格電圧を1.15倍に増加させる。 熱的条件:周囲温度0℃〜55℃の範囲内の場合、25℃±10℃で実施する。0℃〜55℃の範囲外の場合、試験の最初の半分を最高周囲温度、試験時間の残りの半分を25℃±10℃または0℃よりも低いものは最低周囲温度で実施する。
動作の方法:直線駆動で約80mm/秒、回転駆動で約45°/秒 駆動サイクル:100回
2. 低速度試験
電気的条件:表8表10に規定する条件 熱的条件:前述1.と同じ。 動作の方法:直線駆動で約20/秒、回転駆動で約9°/秒 駆動サイクル:100回
3. 高速度試験
電気的条件:表8表10に規定する条件 熱的条件:前述と同じ。 動作の方法:手動でできるだけ早く駆動する 駆動サイクル:100回
4. 加速速度試験
電気的条件:表8表10に規定する条件
熱的条件:前述と同じ。
動作の方法:直線駆動で約80/秒、回転駆動で約45°/秒
駆動サイクル:製造業者が指定した動作サイクル(第一章 2-1.5項参照)から300を減じた回数

(3)無負荷試験(機械的耐久性)
NECA規格では、スイッチを無負荷の状態で開閉頻度50〜300回/分の割合で定められた回数繰返し、以下の各項に適合するように定めている。

動作特性は規格値の20%を超えないこと。
絶縁抵抗は、10MΩ以上であること。
耐電圧は、試験電圧に耐えること。
接触抵抗は、定格通電電流1A以上のものは2Ω以下、0.1Aのものは5Ω以下であること。

(4)温度上昇
JISでは、接点及び端子、その他の部品、に関する温度上昇試験を定めている。

1. 接点及び端子
以下の条件により試験を行い、端子の温度上昇は45Kを超えてはならない。
(a)端末処理導体用の端子ももつスイッチは、長さ1mで製造業者が指定した断面積を持った導体を接続する。
(b)55℃以下の周囲温度の場合は、温度20℃±2℃で試験する。55℃を超える周囲温度をもつ場合は、試験温度を最高周囲温度で試験する。
(c)試料を無負荷で20回動作し、抵抗負荷の最大定格電流の1.06倍の電流を通電する。
(d)5分間隔で連続3回の読み取りを行い、±2℃以上変化がない場合、飽和したとみなす。
(e)細線の熱電対を用い、スイッチ本体に近い端子部に取付ける。
2. その他の部品
スイッチその他の部品は、以下の条件により試験を行い、表18に規定する数値を超えてはならない。
(a)最大定格温度において、抵抗負荷の最大定格電流の1.06倍の電流を通電する。
(b)細線の熱伝対、または同等の手段によって測定する。
(c)表面温度の測定に用いる熱電対は、直径5mm厚さ0.8mmの銅または黄銅の黒色にした円板の背面に取付ける。
表18 許容最高温度
部品 最高温度 ℃
取り外しできないケーブル及びコードのゴム絶縁又は塩化ビニル絶縁
  Tマークなし
  Tマークあり
75 注1
T 注2
絶縁材料(ただし、電線用のものを除く)
  熱硬化性材料
  熱可塑性材料
- 注3、4
- 注3

注1IEC規格に適合するケーブル、コードに適用する。
注2高温用ケーブル、コード及び線材に対するIEC規格ができ次第適用される。
注3規定制限値はない。この材料は、耐熱性、耐火性及び耐トラッキング性の試験に耐えなければならない。
注4使用中安全であることを証明できる温度を超えてはならない。

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■ 2.3. 環境特性

(1)耐衝撃性
NECA規格では、耐衝撃性として以下の試験を定めている。

スイッチの自由位置と動作限度位置との二つの状態について、JIS C 0041〔環境試験方法(電気、電子)衝撃試験方法〕に規定する試験機またはこれと同等以上の試験機によって表19に示す襲撃の大きさを、最も誤作動を起こしやすい方向に連続3回与える。

ただし、基本パルスの波形は正弦半波パルスとする。このとき開路接点が1msを超えて開路してはいけない。

また、開路接点が1msを超えて閉路してはいけない。

表19 衝撃の大きさ

単位m/s2

基本機構 アクチュエータ 接点間隔
E F G H
Z、Y、D、A、V()、W、T、S、J形 ピン押ボタン形 490 294 294 196
OF0.74N以下のV形 - 49 49 -
R形 294 - - -
C、K形 回転軸形 - - 196 48
Z、R、Y、D、A、V、S形 上記以外のもの 98 49 49 49

注*OF0.34Nを超えるもの

(2)耐振動性
NECA規格では、耐振動性として以下の試験を定めている。

スイッチの自由位置と動作制限位置との二つの状態について、JIS C 0040〔環境試験方法(電気、電子)正弦波振動試験方法〕により、上下・左右・前後の3軸方向にそれぞれ次の条件で2時間振動を与え、このとき閉路接点が1msを超えて開路してはいけない。

また開路接点が1msを閉路してはいけない。振動条件は片振幅0.75mm、振動数10〜55Hzの範囲で、連続的にほぼ均一に変化する単弦運動で振動数の変化の1周期に要する時間は3〜5分とする。なお、自由位置については、ピン押ボタン形、スプリング軸押ボタン形、ヒンジレバー形、回転軸形についてだけ適用される。
(3)塩水噴霧
NECA規格では、塩水噴霧として以下の試験を定めている。

JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)に規定する方法で、スイッチを100時間塩霧にさらし、直ちに常温の流水で付着塩分を除き、60℃の熱風で6時間乾燥した後で、動作特性は最大規格値の120%以下及び最小規格値の80%以上でなければならず、絶縁抵抗は5MΩ以上でなければならない。また耐電圧は試験電圧に耐え(ただし同極端子間は除く)、使用上の有害なさびの発生があってはならない。

(4)耐湿性
JISでは、高湿状態に対する保護として以下の試験を定めている。

相対湿度91%〜95%、温度20℃〜30℃の間の任意の温度t±1℃の恒温恒湿槽内に、IPX0のスイッチは48時間、それ以外のスイッチは168時間保持する。この試験後、JISの適合性をそこなうような損傷があってはならない。また、絶縁抵抗は表20の値以上でなければならなく、耐電圧は表13の値を1分間印加しフラッシュオーバーを生じてはならない。
図20 最小絶縁抵抗値

絶縁 アクチュエータ
機能絶縁 2
基礎絶縁 2
保護絶縁 5
強化絶縁 7


(5)耐寒耐熱性
NECA規格では、耐寒耐熱性として以下の試験を定めている。

スイッチを-40〜-45℃の温度中に48時間以上保ち、ただちに、85〜90℃の温度中に48時間以上保った後、常温にもどし、動作特性は最大規格値の120%以下及び最小規格値の80%以上でなければならず、絶縁抵抗は10MΩ以上でなければならない。また耐電圧は試験電圧(表12)に耐えなければならず(ただし、同極端子間は除く)、もちろん使用上の有害な損傷及びさびの発生があってはならない。
(6)はんだ付け性
JISでは、はんだ付け性として以下の試験を定めている。

JIS C 0050〔環境試験方法(電気・電子)はんだ付け性試験方法〕の試験方法Taに従い、表21に示す条件で試験し、浸せきした表面は滑らかな輝いたはんだで被われていなければならない。

図21 Taに対する試験条件

JIS C 0050
の箇条番号
条件
4.3.2/4.8.3 脱脂してはならない。
4.4 初期測定不要。
4.5 エージングは行わない。
4.6/4.7 はんだごて用又ははんだ槽用の端子の分類によって、試験方法1:235℃のはんだ槽法、又は試験方法2:350℃のはんだごて法を適用する。
4.6.2/4.8.2.3 非活性フラックス
4.6.3/4.9.2 浸せき時間 2秒〜3秒
4.6.3 熱遮へい板は使用しない。
4.7.3 はんだごての大きさは“B"とする。
4.7.3 放熱器は使用しない。
4.7.3 はんだごてを当てる時間 2秒〜3秒
4.8.4 はんだ付け時間 最大2秒
4.9 はんだはじき試験は行わない。
4.10 最終測定 JISの16項に準拠する温度上昇

(7)はんだ耐熱性
JISでは、はんだ耐熱性として以下の試験を定めている。

はんだ付け端子タイプ1は、前述のはんだ付け性の試験にてはんだ耐久性も適合を判断する。はんだ付け端子タイプ2は、JIS C 0050〔環境試験方法(電気・電子)はんだ付け試験方法〕の試験方法Tbに従い、表22に示す条件で試験する。

試験後、はんだ端子がゆるんだり、使用できなくなるような変位が生じてはならない。

図22 Tbに対する試験条件

JIS C 0050
の箇条番号
条件
5.3 初期測定不要。
5.4/5.5 製造業者が測定したはんだ付け端子のタイプによって、試験方法1A:260℃のはんだ槽法、又は試験方法2:350℃のはんだごて法を適用する。
5.4.3 浸せき時間 5±1秒
5.4.3 熱遮へい板は使用しない。
5.6.1 はんだごての大きさは“B"とする。
5.6.3 放熱器は使用しない。
5.6.3 はんだごてを当てている時間 5±1秒

(8)耐熱性と耐火性
JISでは、電気的接続部と接触する部品で、その劣化が過熱を引き起こす可能性のある部品についえは、以下の耐熱性と耐火性の試験を定めている。

JISの附属書Eのボールプレッシャー試験2に続いて、次のうちから製造業者が指定したレベルに対して附属書Cのフローワイヤ試験を行う。

レベル1:650℃で実施するグローワイヤ試験
レベル2:750℃で実施するグローワイヤ試験
レベル3:850℃で実施するグローワイヤ試験

各試験の詳細については、JISを参照願いたい。
(9)耐トラッキング性
JISでは、充電部と沿面距離が規定されている非金属部品に対して、以下の耐トラッキング性の試験が定められている。

製造業者の指定した汚染状態の度合いによって、次の印加電圧で行われるJISの附属書Dの試験を実施する。

-175V(通常状態)
-250V(汚れた状態)

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