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制御機器の基礎知識 センサ編

第七章(1) 光電センサ(光電形近接スイッチ)

1.定義と特徴
2.種類
3.定格・性能
4.寸法・構造
5.入出力回路
6.選び方
7.上手な使い方
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■ 1. 定義と特徴

■ 1.1. 定義

光電形近接スイッチ/光電センサを広義にとらえると、光電効果を応用したすべての非接触検出器が範ちゅうに入るが、本章ではこれらのうち検出する対象自体の反射、輻射あるいは遮光によって生ずる受光量の大小によって、対象の有無、大小あるいは明暗などを検知し、接点あるいは無接点のスイッチング出力をだす狭義の意味の光電形近接スイッチについて、JIS規格の光電形近接スイッチの定義「半導体開閉素子を備え、可視、不可視光線の反射または遮光のいずれかによって物体を検出する近接スイッチ」を骨子として、JIS規格の範囲とそれに付随するものについて述べる。

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■ 1.2. 特徴

光電形近接スイッチは他の非接触スイッチと比べて次のような特徴を持っている。

(1)検出対象に比較的制約がない。
(例)金属、ガラス、プラスチック、木材などの固体だけでなく液体の検出も可能である。
(2)検出距離が長い。透過形でが数百mの検出が可能なものもある。
(3)検出エリアを規制しやすい。
(4)色の明暗の検出が可能である。
(5)検出部が小形で狭い場所での検出が可能である。(光ファイバ形)。

また反面、次のような欠点を持っている。
(6)油やごみ等の汚れに弱い。
(7)強い周囲光(外乱光)の影響を受けることがある。

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■ 2. 種類

光電形近接スイッチはその種類がきわめて多く、分類方法だけでもいろいろある。検出方法、動作形態、出力形式、用途、外形・形状・寸法、構成などの分類項目がある。

ここでは、JIS規格をもとに他の分類項目も含めて次に述べる種類に分類し、説明する。

■ 2.1. 検出方式による種類

光電形近接スイッチの検出方法による種類は原理的に大きく分けると次のようになる。
(1)光路の遮断(遮光)による光量変化を検出する透過形光電形近接スイッチ
(2)リフレクタと組み合わせて透過形と同様に遮光による光量変化を検出するリフレクタ形光電形近接スイッチ
(3)物体からの反射光量を検出する反射形光電形近接スイッチ
(4)物体が放射する輻射光を検出する輻射形光電形近接スイッチ(JIS規格では分類なし)

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■ 2.2. 用途・機能による種類

光電形近接スイッチの用途はいろいろあり、用途・機能がまとまっている専用のものとして次のものがある。
(1)マークセンサ
検出マークを検出する専用のもので、透過形と反射形がある。
(2)ライトカーテン
エリア状の検出領域をもち、透過形とリフレクタ形がある。

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■ 2.3. 構成による種類

光電形近接スイッチの構成要素としては投光部、受光部、増幅部、制御部、電源部の基本部位で構成される。

投光部は光源の種類として、LEDが主で、他にLD(レーザダイオード)が使用されている。

受光部は受光素子の種類としてフォトトランジスタ、フォトダイオード、PSD(位置検出用フォトダイオード)が主に使用されている。

光電形近接スイッチの構成機能による種類としては次のものがある。

(1)アンプ分離形
投光部、受光部だけを分離してそれぞれ投光器、受光器としたもの、あるいは一体の投受光器としたもの。
増幅部、制御部、電源部は一体のアンプユニット形をとり、盤内や機械側に取付けられる。
投受光器は投光素子、受光素子および光学系だけで構成されるので非常に小形のものが得られる。
(2)アンプ内蔵形
投光部、受光部、増幅部及び制御部を一体とし、増幅部及び制御部内蔵形の投光器、あるいは受光器としたもの。電源部は単独に電源ユニットあるいはパワーリレーを組込んだコントロールユニットの形をとる。

受光部、増幅部及び制御部が一体となっているため、微小信号の信号線を引き回す必要がなく電気的ノイズの影響を受け難いという特長がある。

投光器、受光器は増幅部、制御部を含むためアンプ分離形のセンサ部よりも多少大きくなるが、電子回路のIC化に伴い、かなり小さいものも増えてきた。

(3)電源一体形
アンプ内蔵形をさらに発展させて電源部までを投光器、受光器に内蔵したもの。

電気的ノイズの影響をほとんど受けないうえ、直接商用電源に接続でき、また受光器から直接容量の大きな制御出力が得られるので、非常に使い易いという特長をもつ。

投光器、受光器には電源トランスなどまで含むため他の形態と比べると、かなり大きくなる。
(4)光ファイバ形
センサ部をより小形化するために光学系に光ファイバを接続するようにしたもの。

ファイバ先端の組合せにより透過形、リフレクタ形および反射形のいずれも使用できる。また、前述の三構成のいずれでも使用出来るが、アンプ内蔵形が多くみられる。

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■ 2.4. 出力形式による種類

出力形式はJIS規格では無接点のスイッチング出力に限定されているが、その他の形式も含めて分類すると次ようなものがある。

(1)無接点出力式 (a)直流2線式 (b)交流2線式 (c)直流3線式 ・NPN出力式・PNP出力式

(2)接点出力式(リレー出力式)
(3)アナログ出力式 (a)電圧出力式 (b)電流出力式

回路構成や詳細については「第一章 センサとは」および「第四章 近接スイッチとは」を参照のこと。

なお、自己診断などの異常出力機能については、仕様が統一されていないためにこのような出力があることを紹介するに留める。

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■ 2.5. 外形、形状及び構造による種類

外形、形状、寸法による分類は次のようなものがある。

(1)形状による種類

(a) 角形
外形が角形形状のもの。厚みを薄くした薄形の角形形状もある。
(b) 円柱形
外形が円柱形のものは、ねじのある円柱ねじ形状とねじのない円柱円筒形状がある。

(2)接続方法による種類

(1)形状による種類

(a) リード線引出式
近接スイッチ本体から直接リード線がでているもの。
(b) 差込式(コネクタ式)
コネクタにより接続されるもの。
(c) ねじ端子式
近接スイッチ本体に接続用のねじ端子を装備したもの。

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■ 3. 定格・性能

光電形近接スイッチの定格・性能のうち、重要なものについてJIS規格にもとづき解説する。

■ 3.1. 定格

(1)検出範囲(Sd)
検出範囲は正常空気条件、周囲温度が23±5℃、周囲光が0lxと5000lx及び定格電圧または電圧範囲内のいずれかの電圧の条件にて図1及び図2にて規定される。

図1 光電形検出スイッチの検出範囲(Sd)
図2 検出範囲の周囲光条件
(a)透過形光電形近接スイッチの投光器及び受光器
(a)透過形光電形近接スイッチの
投光器及び受光器
(a)透過形(投光器-受光器)
(a)透過形(投光器-受光器)
(b)リフレクタ形光電形近接スイッチの投受光器及びリフレクタ
(b)リフレクタ形光電形近接スイッチの
投受光器及びリフレクタ
(b)リフレクタ形(投受光器-リフレクタ)
(b)リフレクタ形(投受光器-リフレクタ)
(c)反射形光電形近接スイッチの投受光器及び検出体
(c)反射形光電形近接スイッチの
投受光器及び検出体
(c)反射形(投受光器-検出体)
(c)反射形(投受光器-検出体)

(2)余裕利得
光電形近接スイッチが受けた光と動作するのに必要な光との比率をいう。

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■ 3.2. 性能

(1)動作
動作には、動作機能としてメイク(NO)機能とブレイク機能(NC)がある。

メイク機能は検出体が検出されたときに負荷電流を流し、検出体が検出されないときに負荷電流を流さない。ブレイク機能は検出体が検出されたときに負荷電流を流さなく、検出体が検出されないときに負荷電流を流す。出力形態と動作機能及び検出方式と動作機能の関係を図3及び図4に示す、光電形近接スイッチには慣例的にライトオン(LO)機能とダークオン(DO)機能も良く使用されるので参考までに併記する。

図3 出力形式と動作機能

出力形式 動作機能(メイク、ブレイク) 動作機能(ライトオン、ダークオン)
メイク(NO) ブレイク(NC) ライトオン(LO) ダークオン(DO)
直流
3線式
NPN形
直流
3線式
PNP形
交流
2線式
接点
出力式

図4 検出方式と動作機能

検出
方式
動作機能(メイク、ブレイク) 動作機能(ライトオン、ダークオン)
メイク(NO) ブレイク(NC) ライトオン(LO) ダークオン(DO)
透過形
リフレクタ形
反射形

また、タイマ機能をもった場合の動作を図5に示す。

図5 タイマ動作

タイマ機能 タイムチャート
基本動作
ワンショット動作
(ONE SHOT)
オン ディレイ動作
(ON DELAY)
オフ ディレイ動作
(OFF DELAY

(2)繰返精度
実効動作距離(Sr)の繰返精度(R)は、8時間にわたり周囲温度23±5℃・相対湿度±5%の許容誤差内・一定の電源電圧の条件にて、任意の2回の測定値の差は実効動作距離の10%以下とする。
R≦0.1Sr 

(3)応差
応差(H)は周囲温度23±5℃及び一定の電源電圧にて、実効動作距離の20%以下とする。
H≦0.2Sr

(4)動作サイクル周波数
動作サイクル周波数(f)は次の式にて決定される。
f=1/(ton+toff)(Hz)
ton=ターンオン時間
toff=ターンオフ時間
(5)使用周囲光
周囲光5000lxにて検出範囲が保障される(図2参照)。

(6)周囲温度
光電形近接スイッチは-5℃〜+55℃の温度範囲で動作しなければならない。また、動作特性は周囲温度の許容範囲内で維持されなければならない。

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■ 4. 寸法・構造

光電形近接スイッチの構造に関する項目について解説する。

■ 4.1. 端子およびリード線の識別

「第四章 近接スイッチとは」を参照のこと。

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■ 5. 入出力回路

入出力回路については、「第一章 センサとは」にて解説しているが、光電形近接スイッチに独自またはその他の入出力回路について解説する。

■ 5.1. アナログ出力

アナログ出力には電流出力形(例 4〜20mA)、電圧出力形(例 1〜5V)及び専用の制御装置と組合せて使用するものがある。

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■ 5.2. その他の入出力

(1)自己診断出力 
自己診断/余裕度/アラームなどと呼ばれている出力で「安定入光/安定入光・安定遮光/不安定入光・不安定遮光」などの入光量状態を単独または組合せにて出力するもの。

不安定入光・不安定遮光の光量判定レベルの例を示す。

動作レベルの±15%以下
復帰レベルの−15%以上

(2)同期線
相互干渉を防ぐために、投光器、受光器のタイミングを同期させるためのものである。
(3)外部診断入力/外部診断出力
投光器側で、投光器の機能診断あるいは投光する光量を制御するための入力を外部診断入力、それに対応した受光器側の出力を外部診断出力という。外部診断出力は通常の出力で兼用する場合が多い。
(4)通信
最近では光電形近接スイッチの多機能化に伴って通信機能を装備したものも現れてきている。

その他の入出力は統一した規格がなく製造業者独自のものが多いため内容を確認された上でご使用願いたい。

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■ 6. 選び方

■ 6.1. 検出以外の設備条件による選択

設備条件により光電形近接スイッチに供給可能な電源の種類(交流/直流電圧)を選択し、設置環境、扱い易さ、設置スペースおよび期待される寿命などにより構成の種類を選択する。また、必要保護構造よりIPグレードを選択する。

なお、各種安全規制の対象となる

安全センサ
防爆機器
プレスなどの安全機器
電気用品などの安全製品

については、それぞれの規格に合格したものを選択されたい。

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■ 6.2. 検出方法の種類の選択

光電形近接スイッチの検出能力をフルに発揮させるためには、その特徴・原理・性能および特性を十分に把握しておく必要がある。

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■ 6.3. 検出距離

光軸調整を容易にして、長時間にわたって安定した検出性能を維持するためにも、余裕のあるものを選ぶこと。

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■ 6.4. 用途からみた選択

表1に用途からみた選択のポイントを示す。

表1 用途からみた選択のポイント

  選択目的・条件 留意点 最適機種の例



位置決め、有無検出 ・動作位置精度のよいもの
・動作位置設定の容易なもの
・透過形(溝形)
・リフレクタ形
・測距反射形
微小物体検出 ・細いビーム
・光スポットの小さいもの
・高感度で調整機能付
・光ファイバ形
・マークセンサ
・LD光線
高速検出 ・速い応答速度 ・高速応答形
透明物体検出 ・高感度反射形 ・リフレクタ形
凹凸検出 ・応差の距離の小さいもの ・限定反射形
色マーク検出 ・検出する色マークと下地色、
・センサの光源色
・検出速度の速いもの
・応差の距離の小さいもの
・マークセンサ
(緑、赤、青の単色LED式)
(タングステンランプの直流増幅式)
・光ファイバ形
凹凸に関係なく検出 ・光スポットの大きいもの ・広視界形(広視野ビーム形)
色に関係なく検出 ・取付方向 ・測距反射形
安全用 ・公的期間の検定品 ・プレス安全機器
・防爆機器
・安全センサ



狭いところ ・小形の投受光器 ・アンプ分離形
・小形のアンプ内蔵形
・光ファイバ式
片側より検出   ・拡散反射形 ・限定反射形
・リフレクタ形 ・測距反射形
背景の影響を避ける ・応差の距離の小さいもの ・限定反射形
・測距反射形
・応差の小さい拡散反射形
側面の影響を避ける ・応差の距離の小さいもの
・視野の狭いもの
・狭視界形(細ビーム形)
外乱光の影響を避ける ・仕様周囲照度範囲の広いもの ・LED/LD光源
堅牢性の要求   ・ダイキャスト等の
 金属ケースタイプ
水のかかる場所 ・防水性の高いもの
・余裕度の高いもの
・光学系の有効口径の大きいもの
・IP66以上のもの
・余裕度×2.5〜5
・赤外のLED/LD光源
ちり、ほこりの多い場所 ・防塵構造のもの
・余裕度の高いもの
・光学系の有効口径の大きいもの
・IP54以上、
  エアパージフード付
・余裕度×2.5〜5
・赤外のLED/LD光源
有機溶剤などの
特殊雰囲気
・構造、レンズ、ケースの材質 ・雰囲気に合った構造、仕様、材質
配線ケーブルを長くしたい ・ケーブルの種類、長さ
・耐ノイズ・サージ性
・アンプ内蔵形
・電源内蔵形
使



長寿命 ・光源
・制御出力
・LED光源
・無接点出力式
メンテナンス性 ・動作確認
・配線、取り付け
・動作または入光表示付
(バーLED表示、
デジタル数字表示)
・自己診断出力付
・ねじ端子式
・差込式(コネクタ式)
検出用スポット光の確認  ・可視光線  ・可視LED/可視LD光源
・タングステシンランプ

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■ 7. 上手な使い方

■ 7.1. 取付

(1)相互干渉 
複数の光電形近接スイッチを並べて設置すると、隣の光電形近接スイッチの光の影響を受けて動作が不安定となることがある。これを相互干渉という。相互干渉を回避する考え方として次の対策がある。

1. 干渉防止機能付の光電形近接スイッチを使用する。
密着取付が可能。ただし、機種により設置条件が異なることがあり、他の対策と併用することが望ましい。
2. 干渉防止フィルタを装着する(透過形のみ)。
機種により、干渉防止フィルタを装着することで2台まで密着取付が可能。
3. 干渉しない距離だけ離す。
平行移動特性または検出領域特性より、その設定距離における動作距離をもとめ、その1.5〜2倍以上離すこと。
図7 離して設置
図7 離して設置
4. 投光器と受光器を交互に並べる(透過形のみ)。
この場合光電形近接スイッチ直近では、検出体からの反射光で入光状態となることがある。このような場合は、遮光板を設けるなどさらに対策が必要になる。
図8 光軸をずらす
図8 光軸をずらす
5. フードまたはスリットで光芒を細くする(透過形のみ)。
6. 光軸をずらす(反射形の対向位置のみ)。
反射形で対向させて取り付ける場合は、検出距離以上離れていても、互いに影響し出力チャタリングを起こすことがあるため、傾けて取り付けること。
図9 光軸をずらす
図9 光軸をずらす
7. 感度を調整する。
一般には感度を低く調整することで改善がはかれる。

(2)取付面

1. 透過形、リフレクタ形
図10に示すように、平滑な床面によって投光器からの光が反射して、受光器に入光する。このため、光軸上の光を遮っても、受光器が遮光状態にならない。
図10 床面反射の影響(透過形、リフレクタ形)
図10 床面反射の影響(透過形、リフレクタ形)
このような反射光による影響は、床面に限らず、天井板や側壁面でも同じ現象を生ずる。

投光器の光が回り込んでいないかどうかの確認方法を述べる。カタログなどでメーカの指定する最小検出体寸法の100〜110%の遮断物体を準備して、投光器と受光器間の2〜3点で遮光してみる。検出動作をすれば光の回り込みがない。

この遮光物体で検出動作をしない場合は、光の回り込みがあるので、壁・床面など光路の周辺に次の対策を行う。
取付を高くする。 図11 床面反射の対策(透過形、リフレクタ形)
図11 床面反射の対策(透過形、リフレクタ形)
遮光板を設ける。
取付面を無光沢の黒色あるいは暗色とする。
自己診断機能のあるものは、自己診断出力でも光の回り込みの有無を判断できる。
2. 反射面
取付面が粗い場合、その反射光により常時一定レベルの入光があり、応差が増大したり、常時入光状態になってしまう場合がある。

このような場合も同様に次の対策を行う。
図12 取付面の影響(反射形)
図12 取付面の影響(反射形)
取付を高くする。
取付面を無光沢の黒色あるいは暗色とする。
狭視界形(細ビーム形)のものを使用する。

(3)背景物体
検出体の後方にある壁などは、比較的面積が大きい場合が多く、検出体から離れていても、影響を受けることがある。

対策としては次のものがある。
図13 背景物体の影響
図13 背景物体の影響

背景物体を取り除く。
背景物体を光沢のない黒いもの(反射率の低いもの)にする。
背景物体を遠ざける。
検出体表面と背景面に角度をつける。
限定反射形、測距反射形、または応差の小さい拡散反射形を使用する。

(4)外乱光
変調光の採用により、太陽光などの直流光には非常に強くなっているが、協力な光やインバータ式蛍光灯の光が受光器の光軸方向にあると誤動作を起こす恐れがあり、設置場所や取付角度を変えて受光器のレンズに直接これら強力な光線が差し込まないようにしなければならない。

遮光方法は、図14に示すように、フードまたは遮光板により、周囲外乱光が受光レンズに当たらないようにする。

フード内面は、黒色のつや消し塗装を行い、内面の反射を防止する。
図14 外乱光の除去
図14 外乱光の除去

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■ 7.2. 調整

(1)光軸調整(透過形、リフレクタ形)
投光器と受光器の指向性は、ある程度の広がりを持たせてある。これは使用中に多少の光軸ずれがあっても直ちに使用不能とならないようにするためである。光軸が一致した光電形近接スイッチは、各特性上十分な余裕を持ち、多少の光軸のずれや、ほこりの付着が起きても、その影響は少ない。

この特性を生かすために、調整はできる限り精密に行い、光軸の中心に持ってくるようにしなければならない。

透過形の調整手順を次に示す。

1. 投光器と受光器を一直線上に対向させ、感度調整機能があれば最大にしておくこと。 
2. 投光器を左右方向に振り、受光器の動作表示灯を見ながら入光動作となる範囲を確認し、その受光範囲のほぼ中央に仮固定する。
3. 上下方向についても同様の調整を行う。この時、入光レベル表示灯があれば、それを利用する。
4. 以上の調整を受光器についても行う。この時、受光範囲が広すぎる場合は、受光器の感度を下げて調整する。
5. 次に光軸一致の確認を行う。投光器・受光器それぞれ単独に、レンズ面を遮光板でゆっくり覆っていき、遮光して動作する位置が上下・左右共同率であるかを調べる。遮光率は、余裕度にもよるが、70〜90%必要である。

(2)感度調整(反射形)

まず感度ボリウムを最小の位置にし、検出体を検出したい位置に置いて、感度ボリウムを右に回し(感度を上げる)、動作表示灯が点灯するボリウム位置を(1)とする。

次に検出体を取り除き、感度ボリウムをさらに右に回し、背景物体で動作表示灯が点灯するボリウム位置を(2)とする。(2)より感度ボリウムを左に回し(感度を下げる)、動作表示灯が消灯するボリウム位置を(3)とする。背景物体がない場合は、最大ボリウム位置が(3)となる。

ボリウム位置(1)と(3)の中間に設定する(最適感度設定)。また、検出体の有無のそれぞれの状態で安定表示灯が点灯することを確認すること。点灯しないときは、余裕が少ないので、検出方法を再検討すること。

図15 感度調整の方法
図15 感度調整の方法

(3)自動感度設定
感度設定が感度ボリウムではなく、スイッチを押すだけで簡単に行えるものもある。

次に検出体を取り除き、感度ボリウムをさらに右に回し、背景物体で動作表示灯が点灯するボリウム位置を(2)とする。(2)より感度ボリウムを左に回し(感度を下げる)、動作表示灯が消灯するボリウム位置を(3)とする。背景物体がない場合は、最大ボリウム位置が(3)となる。

ボリウム位置(1)と(3)の中間に設定する(最適感度設定)。また、検出体の有無のそれぞれの状態で安定表示灯が点灯することを確認すること。点灯しないときは、余裕が少ないので、検出方法を再検討すること。

ラインを止めずに検出体を動かしたままの状態で設定できるフルオートティーチング
検出体のある状態とない状態の2点をティーチングして設定する2点ティーチング
検出体の位置決めをするときに設定する位置決めティーチング
検出体のない状態(入光量が安定した状態)で設定する検出体なしティーチング
最大感度を設定する最大感度設定

などがあり、用途に合わせて設定法を選択できる。自動感度設定で簡単に立ち上げた後、状況にあわせてマニュアルで微調整できるものもある。設定の詳細は、メーカによって異なるので、各機種毎の取扱説明書を参照されたい。

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■ 7.3. 保守点検

(1)自己診断機能、安定表示灯
設置後の環境変化により、入光量が減少した場合に表示または出力する機能で、故障や経年変化によるセンサ面の汚れ、光軸のズレなどを早期発見できる。
(2)入光レベル表示
入光レベルがデジタル数字またはバーLEDで表示されるものは、動作レベルに対する入光レベルの余裕度がひと目で確認できるため、メンテナンス時期が判断しやすい。
(3)自動感度補正機能
受光量の分布データにより感度を自動的に最適状態に維持する機能。振動などによる光軸ズレやヘッドの汚れなど検出体や環境の変化に対応するため、再調整が不要。環境が著しく劣化して、感度補正の許容範囲を超えるとアラーム信号を出力をする。
(4)動作しないときの確認事項
動作しない時は、次の点を確認し、分解、修理は絶対にしないこと。

配線及び接続は指定どおりか。
取付ネジにゆるみなどがないか。
光軸調整、感度調整ができているか。
検出体スピードは定格仕様どおりか。
投受光器のレンズ面に、ゴミ・ほこりなど異物が付着していないか。
受光器に太陽光(壁面による反射)などの強い光が当たっていないか。

(5)ゴミ・ほこりの除去について。
レンズ面の汚れ状況を定期的に点検し、清掃すること。ただし、光電形近接スイッチのレンズ・ケースは基本的にプラスチックであるので、汚れは乾いた柔らかい布で軽く拭き取ること。シンナー系有機溶剤は使用しないこと。

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