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動作原理と露点計測の心得
鏡面冷却式露点計
動作原理と露点計測の心得
■ 露点温度とは
露点温度とは、気体中(通常は空気)に含まれる水蒸気の量を示す尺度のひとつです。
気体に含むことのできる水蒸気の量には限度があります。
これ以上水蒸気を含むことができない限界状態のことを飽和状態と呼びます。この飽和状態になっている時の水蒸気の圧力を飽和水蒸気圧と呼びます。 飽和水蒸気圧は気体の温度と圧力が決まると一意的に決まります。
ある温度の気体に含まれている水蒸気の水蒸気圧に対し、水の近傍の飽和水蒸気圧がその水蒸気圧と等しくなる温度のことを露点温度、または単に 露点と呼びます。
気体に含まれる水蒸気の量が変化しなければ、気体の温度が変化しても露点温度は変化しません。
この露点温度は仮想的な温度ですが、実際に気体を冷却していったとき、結露が始まる温度と一致するため、結露温度を把握することにより露点温 度を予測することができます。
■ 動作原理
本器のセンサプローブ内の検出部には、鏡面、ペルチェ素子、鏡面上に生じた露を検出するための二光軸ガラス製光ファイバが納められた光ファイ バパイプ、鏡面の温度を計測する白金測温抵抗体などが納められています。 二光軸ガラス製光ファイバは、SUSスパイラル管で保護されたセンサケーブル内を通じて中継ボックス内に納められた光電デバイスに導かれてお り、一方の光ファイバが光電デバイス内の赤色発光ダイオードを使用した投光側に、もう一方がフォトダイオードを使用した受光側に接続されてい ます。検出部内で、光ファイバパイプは鏡面に対し斜めに配置されています。
ペルチェ素子に電流が印加されておらず鏡面が乾燥状態にあるとき、投光側光ファイバを通じて照射された光は鏡面上で反射され反対側に行ってし まうので、受光側光ファイバにはほとんど光が戻ってきません。
このとき、受光側光ファイバが接続された中継ボックス内の光電デバイスで変換される電気信号(これを結露量レベルと呼びます)も最低レベルになります。
この状態をスタンバイ状態と呼びます。また、このときの結露量レベルを結露量ベースレベルと呼びます。
次に、コントローラを計測状態にして、ペルチェ素子に冷却電流を印加し鏡面を冷却していくと、ある温度で鏡面上に露が生じます。 すると、投光側光ファイバから照射された光が鏡面上の露で散乱され、一部が受光側光ファイバに戻ってくるようになります。 すると、中継ボックス内の光電デバイスで電気信号に変換される結露量レベルも上昇してきます。
コントローラは、この結露量レベルを指標とし、これをある一定の値(結露量制御目標値)になるようにペルチェ素子に印加する電流を制御します。 そして、そのときの鏡面の温度を白金測温抵抗体で計測し、露点温度として表示します。
なお、本器において結露量レベルは1.0から5.0で指示していますが、これは相対値であり、単位・絶対値に意味はありません。
■ 露点温度表示の読みとりについて
鏡面上の結露量(結露の大きさ)と結露量レベルには正の相関がありますが、結露量レベルと鏡面温度には非線形性があります。
鏡面上の結露量を増えも減りもしないように鏡面状態を制御すれば、結露量制御目標値にかかわらず(結露量制御目標値がある範囲にある場合にお いて)おおむね鏡面温度が露点温度を示すことが知られています。
そこで本器では、結露量レベルが結露量制御目標値に対しある設定範囲内に入っている場合、制御ステータス信号を出力してこれを示します。制御 ステータス信号の状態が結露量レベルコントローラマルチステータス表示灯に表示されます。
制御ステータス信号が表示されているとき、露点温度表示部に表示される露点温度は精度内になります。
また、計測中に計測気体の露点温度が急変したりして、鏡面の制御が追いつかなくなり、表示露点温度が精度範囲からはずれたとき、一時的に制御 ステータス信号が出力されなくなり、結露量レベルコントローラマルチステータス表示灯が消灯する場合があります。
■ 露点と霜点
気体に含まれる水蒸気の量が少なく、鏡面を0℃以下に冷却しなくてはいけなくなった場合、本来鏡面上には霜(氷)が発生します。
これを結霜と呼びます。この鏡面上の結霜量を増えも減りもしないように制御した場合の鏡面の温度は、氷の飽和水蒸気圧がその気体に含まれる水 蒸気の水蒸気圧と等しくなる温度になり、これを霜点温度(または霜点)と呼びます。
なお、広義には、露点温度と霜点温度を総称して露点温度(または露点)と呼ぶこともあります。
■ 過冷却露点
鏡面の温度を0℃以下に冷却した場合でも、鏡面の状態や使用環境によっては、鏡面上に霜(氷)ではなく露(過冷却水)が発生し、これが増えも減り もしないように制御されることがあります。
0℃以下の露点温度は、0℃以下の霜点温度に比べ1〜2℃低くなるので注意が必要です。
これは、0℃以下においては、水の飽和水蒸気圧の方が氷の飽和水蒸気圧に比べ高くなるからです。
この過冷却水の結露は、鏡面温度が0〜−20℃程度の範囲で比較的よく発生します(条件によってはもっと低温度でも発生することがあります)。
いったん発生した過冷却水の結露も、通常時間が経つとともに何らかの影響で氷の結霜に相変移します。 このとき、鏡面の温度も、露点温度から霜点温度に変化(上昇)します。
なお、いったん鏡面上の結露(過冷却水)が結霜(氷)に相変位した場合、鏡面温度が0℃以上にならない限り、結霜(氷)が結露(過冷却水)に戻ること はありません。
鏡面温度が0℃以下の場合、鏡面上に発生したのが露(過冷却水)なのか霜(氷)なのか、露(過冷却水)が発生したと思われる場合それがいつ霜(氷)に 相変位したか注意を払う必要があります。
■ 鏡面の汚れの影響
本器の精度は、鏡面の状態に大きく依存します。
鏡面上に汚れ(水溶性の塩類、埃や塵、オイルミストなど)が付着すると、汚れの表面で投光側光ファイバから照射された光が散乱され、受光側光フ ァイバを通じて中継ボックス内の光電デバイスに伝えられるため、結露量レベルが上昇してしまいます。
これにより、計測精度などが影響を受けることになります。
さらに鏡面に水溶性の塩類などが付着していた場合、鏡面に生じた結露(水)にこれが溶け込むことがあります。一般に塩の水溶液の飽和水蒸気圧 は水の飽和水蒸気圧より低いことが多いので、これにより鏡面の温度が高めにシフトすることが考えられます。
また、さらに鏡面上に汚れが蓄積していった場合、スタンバイ状態で鏡面が乾いているときでさえ汚れの表面で散乱される光が多くなり、結露量ベ ースレベルが結露量制御目標値より高くなってしまうこともあります。
するとコントローラは鏡面状態を制御できなくなってしまうので、そうなる前に鏡面の清掃を行う必要があります。
■ 高露点の計測
センサプローブの周囲温度より高い温度の露点温度の気体を計測する場合、センサプローブ内の鏡面以外の部位で無用な結露が生じないように、 センサユニットの定格温度範囲内において、予想される露点温度より5〜10℃高い温度になるようにセンサプローブを加熱保温してください。
■ 圧力露点温度の計測
気体の圧力を増減させた場合、気体の混合比(気体中の水蒸気の質量とそれ以外の乾燥気体の質量の比)が一定であれば、露点温度は増減します。 本器では、センサプローブ内の検出部の圧力における露点温度をそのまま表示します。
■ サンプリング配管
本器は、計測環境の中に直接センサプローブを挿入できることを特長としていますが、場合によっては計測環境からサンプリング配管によって計測 気体をサンプリングした後にセンサプローブを設置し計測することもできます。
その場合、サンプリング配管の長さはできる限り短くするようにしてください。
またゴムチューブやプラスチックチューブ、シリコンチューブなど水分を吸着しやすい材質のものをサンプリング配管に使用することは避け、SUS 管や銅管、テフロンチューブなどを使用することをご検討ください。
また、サンプリング配管の下流側を大気開放する場合、センサプローブ以降の下流側から周囲の雰囲気が逆流して計測に影響を与えることがないよ うに、0.5〜1m程度の配管を排気側に設けてください。
■ フィルタについて
鏡面の汚れ(特に塵や埃)を防ぐために、センサキャップに付属のセンサフィルタを被せて使用してください。
このセンサフィルタは、水蒸気は通過させるが液滴は通さないポア(細孔)のあいたフッ素系樹脂でできており、とくに高露点環境計測時に飛散して くる可能性のある水滴がセンサプローブ内の検出部で無用な結露を起こすことを防ぐためにも有効です。
またこのセンサフィルタは、センサプローブを通過する計測気体を整流する効果もあり、特に流量が大きい配管内の計測を安定に行うためにも有効です。
ただし、センサフィルタを付けると応答時間が遅くなる場合があります。 特に50mL/分以下の低流量で、計測気体に塵や埃といった鏡面の汚れの原因となるものが少ないと思われる場合、このセンサフィルタを外して使用 することもできます。
一方、計測環境に汚れの原因(塵や埃、煤など)が多く含まれていると思われる場合、センサプローブの直接挿入は避け、途中にパーティクルフィル タを2〜3段を設けたサンプリング配管を用意して計測してください。 用意するパーティクルフィルタの方式、ポア(細孔)の径などについては計測環境にあわせて検討が必要です。
また、できるだけ水分吸着の影響の少ない材質のものを選択してください。
■ 検出部の水漏れ
計測環境が低露点から高露点に急激に変化したとき、高露点の計測時にセンサプローブの加熱保温が適切でなかったとき、水滴が飛沫してきたとき など、検出部が水漏れする場合があります。
検出部が水漏れした場合は、正しい露点温度計測は期待できなくなります。 この場合は、計測状態からスタンバイ状態に切り替え、検出部の乾燥を待つ必要があります。
場合によっては、乾燥気体を送って検出部のパージングを行ったり、センサプローブを取り外して水分をふき取るなどすることもできます。 検出部が水漏れした場合、必要に応じて鏡面の清掃も実施してください。
なお、検出部が水漏れした場合でも、検出部を完全に乾燥させ、必要に応じて鏡面の清掃を実施すれば、性能を回復することができます。
■ 相対湿度の計算方法
本器は露点温度を直接計測します。
一方、計測気体の温度を同時に計測すれば、その計測気体の相対湿度は以下の計算により求めることができます。
----(1)
ここで水の飽和水蒸気圧はSONNTAGの式で求めることができます。
水の飽和水蒸気圧(Pa)=exp(− 6096.9385T
-1
+21.209642−0.02711193T
+0.00001673952T
2
+2.444502 ln(T))
ここでTは温度(単位:ケルビン)で、摂氏温度との変換は次のとおりです。
T(K)=摂氏温度(℃)+ 273.15
なお、露点温度が0℃以下で、センサプローブの検出部の鏡面に露(過冷却水)ではなく、霜(氷)が発生していると思われる場合、(1)式の分子は氷の飽和水 蒸気を求めるSONNTAGの式を使う必要があります。
氷の飽和水蒸気圧(Pa)=exp(− 6024.5282T
-1
+29.32707−0.010613868T
+0.000013198825T
2
+0.49382577 ln(T))
ただし、(1)式の分母に関しては、気象関係では「温度が0℃以下の場合でも氷の飽和水蒸気圧ではなく、水(過冷却水)の飽和水蒸気圧を基準として相 対湿度を算出する」と世界気象機関(WMO)によって決められていますので、計測気体の温度が0℃以下の場合でも通常氷の飽和水蒸気圧の算出式を用いる必要はありません。
ようこそ! 様
鏡面冷却式露点計
概要
製品ラインナップ
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セパレート形温湿度センサ
挿入形露点温度センサ
卓上型鏡面冷却式露点計
湿度のいろいろ
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動作原理と露点計測の心得
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