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制御機器の基礎知識 〜スイッチ編〜

第四章 リミットスイッチ・・・上手な使い方

1.一般的注意事項
2.ドッグの角度と速度
3.動作後の動き(OT)の適正な取り方
4.振動・衝撃のある場合の取付方法
5.コンジット部の処理方法
6.取付方法
7.電気回路設計上の注意事項
8.保守、点検

前述の正しい選び方の冒頭でリミットスイッチの故障が他の電気製品に比べ、非常に大きなウェートを占めるということを述べたが、その大半は使い方に原因があると言われている。具体的に言えば過去の工作機械ではリミットスイッチに直に切削油や切削屑がふりかかるような使い方をしていたが、最近の工作機械ではスイッチの取付位置を変えたり、カバーを施したりして、相当な進歩をとげている。しかし、基本的な使い方の注意事項を守ることによってスイッチの故障を軽減し寿命をさらに大きく伸ばすことができる。

■ 1. 一般的注意事項

リミットスイッチの上手な使い方を図8に示す。常識的な内容だからと無視しないで、再度使い方を見直してみる事が肝要である。

図8 リミットスイッチの上手な使い方(NECA規格)


電源の接続例
不適当な電源の接続例
1個のスイッチの接点に異極、異種の電源を接続しないこと。


不適当
適当
周囲に異常が起こっても、全体の動きの最小値、または動作限度位置の最大値を越えて動作しないように取り付けること。


不適当
適当
封入形マイクロスイッチを機械的ストッパとして使用しないこと。


適当
適当
不適当
適当

不適当
適当
アクチュエータがゆっくりとスナップバックするように、カムやドッグを設計すること。


点検取り付けに困難
取付点検がしやすい
スイッチは堅固にとりつけ、点検が容易で、取替えのできる清浄な場所に取付けること。


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■ 2. ドッグの角度と速度

ドッグの設計に当たってはアクチュエータのおどり、衝撃力、繰返し誤差、摩耗耐久力等を考慮に入れ推奨できる内容を図9に示す。

図9ドッグの角度と速度


1) レバーとドックカット面は、45°以下であること。この角度が45°を越えると、ドック速度が速い場合には、レバーシャフトに加わる分力が衝撃的に働くためスイッチヘッドを破損する恐れがある。
ドッグの角度と速度


2) ドッグの偏位は、ドッグの角度(a)が増加するとともに小さくなる。
ドッグの角度と速度


3) 下図のようなドッグでレバーを押しさげるときは、レバーとドッグの角度が最大を越えないように設定すること。
ドッグの角度と速度


4.ローラーレバー形
乗りこえないドッグ
(1)V≦0.2m/秒  

ドッグの角度と速度
 a° V最大
(m/秒)
 90° 0.05
 75° 0.07
 60° 0.1
*45° 0.2

V≦0.2m/Sの場合はレバーを垂直に設定し、ドッグの立上がり角度を45°〜90°の範囲に設定するのが望ましい。ドッグの立上がり角度を減らせば、最高許容量は増加する(左表参照)。

*一般的にはa=45°、がもっとも扱いやすいドッグとして、推奨できる。

(2)0.2m/秒<V≦0.5m/秒

ドッグの角度と速度
V≦0.5m/Sのような比較的高速のドッグに対しては、レバーに対して直角に力が働くように、ドッグのカッ面に平行にレバーを設定する。一般的にドッグの設計とレバーの設定が最もやりやすいa=45°、=45°θ0が推奨である。

(3)0.5m/秒<V≦2m/秒

ドッグの角度と速度

[=90°-θ0]
V最大
(m/秒)
 40° 0.7
 35° 0.9
 30° 1.3
 25° 2.0

0.5m/S<≦2m/Sの場合はドッグの立上がり角度を45°よりさらに小さくすることによって最高許容量を伸ばすことができる。レバーは常にドッグのカット面に平行になるよう設定する。しかし、レバー設定角度θ0を大きくすると、くりかえし精度が悪くなる。くりかえし精度を良くしたい場合は、前の(1)(2)の方法で設定してください。

乗りこえるドッグ
(4)V≦0.2m/秒

ドッグの角度と速度
ドッグが乗りこえる場合には、レバーを垂直に設定し、a=45°とする。この場合、理想的にはV≦0.2m/Sとなる。


5) ローラプランジャ形
ドッグの角度と速度
 a°  V最大(m/秒) 
 30° 0.25
 20° 0.5



6) ボールプランジャ形
ドッグの角度と速度
 a°  V最大(m/秒) 
 30° 0.25
 20° 0.5



7) ベベルプランジャ形
ドッグの角度と速度
 a°  V最大(m/秒) 
 30° 0.25
 20° 0.5



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■ 3. 動作後の働き(OT)の適正な取り方

ある自動車製造設備でリミットスイッチの故障を分析したところ、次のような結果が得られた。

■ 1位 取付不良 65%

ドッグ、ストライカ、アクチュエータなどの動作位置調整で、スイッチは継続使用に耐える。
■ 2位 作動不良 20%

シール不良、組付け不良、破損などによる機械不良で、寿命故障も含め交換修理の対象になる。
■ 3位 精度不良 15%

機械側、リミットスイッチ側、両者の機構部品が摩耗劣化し生じるもので、作動位置を調整し継続使用する。または何点かの部品交換(スイッチの場合もある)を行い修理する。

以上の結果から分かるように取付不良によるシーケンストリップが圧倒的に多いが、これは動作後の動き(OT) のとり方が少なすぎることによる。すなわち一定のストロークのドッグのエンドリミット確認用使用されるケースで考えれば、ある回数作動させるス イッチの動作位置(OP)がずれ、押込み量が少ないためスイッチが動作しなくなる。この対策として最も多く使用されているL形ローラレバー形スイッチに設定位置表示つきのものが用意されている。レバーとともに回転する 設定針が動作ヘッド部に設けられた凸部ゾーンに入るよう設定することにより、レバーの押込み不足や押しす ぎを防止することが可能となる。
図10にL形スイッチにおける設定位置表示機構を図示する。
図10 L形リミットスイッチの設定位置表示機構
図10 L形リミットスイッチの
設定位置表示機構

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■ 4. 振動・衝撃のある場合の取付方法

(1)振動のある場合

強い振動がスイッチに加わる場合、接点開離を起こしたり、部品の摩耗により動作特性にくるいを生ずること がある。このような場合、次のような対策を講ずる必要がある。

スイッチの取付方向を図11に示すように振動に対し最も強い方向(矢印の方向)に変更する。
動作後の動き(OT)のとり方が少ないと内部スイッチの接点接触力が弱くなり、振動で誤動作しやすくなるので、OTの規格値の70%〜100%の範囲に設定するのが望ましい。動作後の動き(OT)のとり方が少ないと内部スイッチの接点接触力が弱くなり、振動で誤動作しやすくなるので、OTの規格値の70%〜100%の範囲に設定するのが望ましい。
複振幅と振動数を変化していくと、ある点で共振を起こす。これを共振点と呼ぶ。一般的に振動数が高い場合は内部スイッチの可動バネが共振し、振動数が低い場合はアクチュエータが共振する。従って現場での振動を測定し、誤動作の原因が前者であるか、後者であるかを見極める必要がある。
図11 振動・衝撃に対する強さ方向順位
図11 振動・衝撃に対する
強さ方向順位

図12にL形ローラレバー形スイッチのNECA領域とそれを超えた使用可能領域について示す。
この使用可能領域をさらに超えて使用した場合、共振したり、部品の摩耗が激しくなり著しく性能を損なう。
図12 耐振動使用可能領域
図12 耐振動使用可能領域

(2)衝撃のある場合

強い衝撃がスイッチに加わる場合、振動に対する対策に加え、特に次の点に注意しなければならない。ロー ラレバー形を使用する場合、ローラレバーの取付け位置により、耐衝撃性を向上することが可能である。
図11において矢印の方向が最も振動、衝撃に強くローラレバーを鎖線の位置に設定した矢印の方向に衝撃を加えるのが最も誤動作を起こしやすい。標準品より長いレバー、径の大きいローラをもつローラレバ ー形ほどその質量が大きくなり誤動作を起こしやすくなるので、設定時には注意を要する。

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■ 5. コンジット部の処理方法

シール不良の原因を追求していくと、コンジット部の処理の甘さが最大の原因であることが分かる。いかに設計段階でシール性の優れたスイッチを選択しても、工事段階で適切な配線、配管工事が行われなければ無意味なものとなってしまう。長時間の使用に耐えないばかりでなく、工事の程度によっては初期の段階でスイッチ内部に浸水してしまうことが多い。スイッチの使用環境、応用方法により次の3種類のコンジット方法がある。

(1)専用シールコネクタ

一般的に図13図14に示す2種類のシールコネクタが用意されている。これらのシールコネクタを使用する場合はケーブル保護管の取付けができないため、ケーブルがむき出しのままとなる。従って切削屑がケーブルに直接かかるような場所では覆いを付けるなどの保護が必要となる。またケーブルに直接切削油がふりかかる場所で、このような保護を施すことができないような場合は特に耐油性の優れたケーブルを選定する必要がある。切削油の種類によってケーブルの被覆の膨潤、硬化、ひび割れ等の現象が発生することがある。
ケーブルの種類については第三章「正しい選び方」 表10を参照のこと。

図13 標準形シールコネクタ
図13 標準形シールコネクタ

図14 高シール形シールコネクタ
図14 高シール形シールコネクタ

(2)フレキシブルチューブ配管

図15に代表的なフレキシブルチューブ配管を示す。これは工作機械等で多く使用されているもので、耐油性、機械的強度をもち、しかも自由に屈曲できる。 図15 フレキシブルチューブ配管

図15 フレキシブルチューブ配管
図15 フレキシブルチューブ配管

(3)電線管

一般的に厚鋼電線管が使用されるが、スイッチとのねじ結合部に必ず、液状パッキンまたはシールテープを 施さないとシール性が得られないので注意を要する。図16に電線管による配管例を示す。

図16 厚鋼電線管
図16 厚鋼電線管

以上、3通りの方法に共通して注意すべき点を下記に述べる。

1. 接続箱に接続する場合は配管を伝わって接続箱からスイッチ内部へ液体が流れ込まないよう、接続箱よ り高い位置に取付けるのが望ましい。やむを得ない場合は水切り部を設けること(図17参照)。
図10 L形リミットスイッチの設定位置表示機構
図10 L形リミットスイッチの設定位置表示機構
2. 接続箱のコンジット部の処理もスイッチ同様、確実に行い高いシール性を得なければならない。

■ 6. 取付方法

1. スイッチ取付ボルトとして最も一般的に使用されるのは六角穴付きボルトである。六角棒スパナで締付けるので、スペースのせまいところ、保全のやりにくい所でも、比較的容易に、強いトルクで締付けが可能である。また、ねじの緩みや締めすぎは、早期故障の原因となりますので、メーカが推奨する各部の適性締め付けトルクで締め付けることが大切である。特に振動の多い機械、設備に取付ける場合は、ばね座金を使用するかあるいは締付ける時ねじロック剤を併用するのが好ましい。また重要ねじ部にはねじ頭にペイントを塗り、ねじがゆるんだ時に識別できるようにすると便利である。
2. 動作ヘッドやカバーの締付けはスイッチのもつ優れたシール性を得るため、強固に行う必要がある。 締付けの手順は徐々に対角線上に締付けて行くのが均一に締付けるコツである。
3. レバー形スイッチにレバーを組付ける場合、一旦締付けた後、さらに強い力でもう一度締付けることが重要である。
4. 取付け位置は床面からある程度はなして保全者が無理のない姿勢で容易に保守、点検できるよう取付けること。
5. 他の機器、部品を取りはずさなくても保守できる位置に取付けるのが望ましい。
6. コンジット部から切削油等が侵入しにくいように配線の引出し方向が下または横向きになるように取付けること(図18参照)。

図18 望ましいリミットスイッチの取付方向

不適当
適当
不適当
適当

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■ 7. 電気回路設計上の注意事項

1. リミットスイッチが万一故障した場合でも、機械の破損や人身事故を引き起こさないように制御回路にインタロック回路を設ける必要がある。
2. モータ、ソレノイド、ソレノイドバルブのように起動電流が定常電流の5〜10倍も流れる負荷を使用する場合は直接リミットスイッチで開閉せず、リレーを介するのが望ましい。
3. 接点の寿命を延ばしたり、雑音の防止およびアークによる炭化物や硝酸の生成を少なくするために接点保護回路を用いるのが望ましい。

■ 8. 保守、点検

一般的に保全活動には故障が発生してからスイッチを交換する事後保全と、日常から故障分析をしておき、定期点検あるいは定期交換をする予防保全とに分類される。現在はまだまだ前者の方が多いが、ダウンタイムを少しでも減らすためには後者が必要とされる。そのためにはあらかじめチェックリストを作成し、工場別、装置別にデータ収集をはかり、故障解析をしておく必要がある。以下に定期点検項目を列挙する。

1. アクチュエータの動きがスムーズか
2. アクチュエータに摩耗、ガタはないか
3. アクチュエータ、ヘッド、カバー等の締付ねじにゆるみはないか
4. ドッグやカムに摩耗やガタがないか
5. 動作位置にくるいはないか
6. 動作後の動きは適切にとられているか
7. コンジット部の処理は適切か
8. リード線に損傷はないか
9. スイッチ外部に損傷はないか
10. 端子ねじにゆるみはないか
11. スイッチ内部に液体が浸入していないか

出典: 社団法人 日本電気制御機器工業会
「制御機器の基礎知識」

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著作権は社団法人 日本電気制御機器工業会に属します。
一部誤記修正しています。

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